おはようございます。
来世は長身の身体に生まれたい塗山正宏です。
180㎝は欲しいですね!
今回のテーマは、
人工股関節置換術と脚の長さについてです。
変形性股関節症の患者さんで、片方の股関節だけが悪い場合には、反対の正常の股関節と比べて、変形がある股関節は軟骨や骨がすり減っている場合が多くなります。
そのため、変形がある股関節のほうの脚が若干短くなります。
人によっては数ミリ程度の脚長差の場合もあれば、変形が強い場合には2~3cm、さらに股関節の変形によって脱臼しているような場合では4cm以上脚が短いような人もいます。
脚長差が大きくなると、墜落性跛行(ついらくせいはこう)と呼ばれ、左右の脚の長さが異なるため、片方の足が地面につくときに墜落するように落下する歩き方になってしまいます。
そのため、人工股関節置換術を行う際には、脚長差を揃えることが非常に重要です。
手術によって脚長差を揃えることによって、歩くときのバランスが改善されます。
しかし、
これらの要素を考慮する必要があります。
単純な脚長差だけでなく、これらの要素を考慮して脚の長さを調整しなければいけません。
ただ単純に脚の長さを揃えればいいわけではないのです。
元々どのくらい脚が短いのか、脊椎の状態、骨盤の状態、膝の状態、足関節の状態等のすべてを考慮して、詳細な手術のシミュレーションを行う必要があります。
そのため、私は手術を行う患者さんには、股関節の検査だけでなく、背骨全体や下肢全体の検査を行っています。
少しでもバランスの良く歩ける状態にしたいですからね。
股関節の評価だけを行って手術をするのはダメ。
「夜景って綺麗ですよね!」
たまにみなとみらいに繰り出す整形外科医の塗山正宏でした。
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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