おはようございます!
花粉が飛んでると身体が反応する気がする塗山です。
今回のテーマは、
変形性膝関節症と骨棘についてです。

骨棘って知ってますか?

よく知りません…
変形性膝関節症と骨棘
― レントゲンでよく見る“トゲ”、実は悪者とは限りません
整形外科外来でレントゲンをお見せすると、患者さんがよくこう言います。

先生、膝にトゲみたいなのがありますよね…
これが痛みの原因ですか?
その正体こそが 骨棘(こつきょく)。
名前は少し怖いですが、実は膝が必死に頑張った結果でもあるのです。
今回は、変形性膝関節症と骨棘の正体・原因・痛みとの関係・治療の考え方を整形外科医の塗山の視点から笑顔で解説します。
■ 骨棘とは?|まずは正体を知りましょう
● 骨棘(osteophyte)とは
関節の縁にできる骨の出っ張りのことです。
📌 よくできる場所
- 大腿骨内側
- 脛骨内側
- 膝蓋骨の周囲
📖 定義(文献)
Osteophytes are bony outgrowths formed at joint margins in osteoarthritis.
(Goldring SR, Arthritis Res Ther, 2012)
👨⚕️ つまり骨棘は、変形性膝関節症を示す代表的な画像所見です。
■ なぜ骨棘はできるのか?【ここが最重要】
① 軟骨がすり減る → 関節が不安定になる
変形性膝関節症では、まず関節軟骨が摩耗します。
すると関節はグラグラに。
👉 膝:「これはマズい…支えを増やそう」
② 体の防御反応として骨が増える
関節を安定させようとして、骨の縁に補強材のように骨が作られる。
それが骨棘です。
📖 文献より
Osteophyte formation is considered a stabilizing response to joint instability.
(Felson DT, Ann Rheum Dis, 2004)
👨⚕️骨棘=体が必死に膝を守ろうとした証拠です。
決してサボった結果ではありません。
③ 炎症と成長因子も関与
関節内の炎症により、TGF-βなどの成長因子が活性化 → 骨形成が促進されます。
📖 文献より
Growth factors play a key role in osteophyte development.
(van der Kraan PM, Osteoarthritis Cartilage, 2007)
■ 骨棘=痛みの原因?【実は誤解が多い】
✔ 骨棘があっても痛くない人は多い
- レントゲンで立派な骨棘
- でも痛みゼロ
👉 よくある話です
📖 文献
Radiographic osteophytes do not always correlate with pain severity.
(Bedson J, Rheumatology, 2008)
❌ ただし、痛みの原因になるケースもある
以下の場合は注意:
- 周囲の軟部組織(靱帯・滑膜)を刺激
- 可動域制限(正座・深い屈曲)
- 鵞足部や内側側副靱帯との摩擦
👨⚕️骨棘は“置物”のこともあれば、“肘でつつく人”になることもあります。
■ 骨棘は自然に消える?削るべき?
結論:基本的に消えません
一度できた骨棘は、自然には消失しません。
では削る?
👉 骨棘だけを削る手術は、ほぼ行いません
理由:
- 根本原因(軟骨摩耗)が残る
- 再発する
- 痛みが必ず取れるわけではない
📖 文献
Removal of osteophytes alone does not alter disease progression.
(Hunter DJ, Lancet, 2014)
■ 骨棘があってもできる治療はたくさんある
🟢 保存療法が基本
- 運動療法(大腿四頭筋強化)
- 体重管理
- ヒアルロン酸注射
- 装具(足底板・膝装具)
👉 骨棘があっても、痛みはコントロール可能
🔴 手術が必要になるのは?
- 痛みが強く日常生活に支障
- 変形が進行
- 保存療法が無効
👉 この段階で人工膝関節置換術が選択肢になります。
■ 骨棘は「頑張りすぎた跡」
骨棘を見て、私はこう考えます。

この膝、相当がんばってきたなぁ…
骨棘は
❌ 怠けた結果
⭕ 働きすぎた勲章
ただし、勲章が大きくなりすぎると、少し邪魔になることもあります。
📚 参考文献
- Goldring SR. Arthritis Res Ther. 2012
- Felson DT. Ann Rheum Dis. 2004
- van der Kraan PM. Osteoarthritis Cartilage. 2007
- Bedson J. Rheumatology. 2008
- Hunter DJ. Lancet. 2014
■ まとめ|変形性膝関節症と骨棘の本当の関係
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 骨棘とは | 関節を安定させる防御反応 |
| 痛みとの関係 | 必ずしも一致しない |
| 自然に消える? | 消えない |
| 治療 | まずは保存療法 |
| 本質 | 軟骨摩耗への対応が重要 |
👉 大切なのは「骨棘を治す」ではなく、「膝全体を診る」ことです!
以上、参考になりましたでしょうか?
では、おやすみなさい!
変形性膝関節症が進行すると骨棘が発生してきます!

「学校にサヨナラする時期ですね。」
久しぶりに学校生活を楽しんでみたい整形外科医の塗山正宏でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医


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