おはようございます!
内出血が出来るとなかなか治りが悪くなっている塗山です。
今回のテーマは、
人工股関節置換術後の皮下出血についてです。

術後の皮下出血について今日は語りましょう。

詳しく教えてください!
人工股関節置換術後の皮下出血:それは“よくあること”です!
こんにちは~♪整形外科医の塗山正宏ですけど?
今回は「人工股関節置換術後の皮下出血(内出血)」について解説します。
手術を受けた患者さんの中には、退院後に太ももやお尻に紫色のアザを見つけてびっくりされる方がいます。

先生!足が紫になってるんですけど!?
と慌てて受診される方も少なくありません。
でも安心してください。ほとんどの場合、それは正常な回復過程の一部なのです。
🩸 なぜ人工股関節置換術後に皮下出血が起きるのか?
人工股関節置換術(Total Hip Arthroplasty:THA)は、股関節の深い部分にアプローチする大きな手術です。
皮膚や筋肉、血管を丁寧に扱いながら進めますが、どうしても微細な血管が損傷します。
また、骨を切るので切断面から出血が起こります。
そのため、股関節周囲で術後にしばらく出血が起きます。
その血液が重力に従って皮下へ移動することで、数日後に「太もも〜膝にかけてのアザ」として現れるのです。
つまり、出血が足の方に移動することによって、アザが下の方に出ます。
決して別の所で出血が起きているわけではありません。
⏱ 皮下出血はいつまで続くの?
皮下出血は通常、
- 手術後3〜5日頃に出現し始め、
- 1〜2週間ほどで黄色くなり、
- 約1か月程度で自然に消退します。
色の変化はまるで信号のようです。
- 赤紫 → 青紫 → 緑 → 黄
と変化していけば、回復のサイン。
逆に、急に腫れが強くなったり、熱を持つ場合は、感染や血腫(hematoma)の可能性もあるため、主治医に相談が必要です。
💊 皮下出血を強くする要因
皮下出血の程度には個人差があります。
以下のような条件が重なると、アザが広がりやすくなります。
- 抗凝固薬(血をサラサラにする薬)を使用している場合
→ 代表的なものにバイアスピリン、アピキサバン、エドキサバンなど。 - 手術中・術後の血圧変動
→ 血圧が高いと小さな血管から再出血しやすい。 - 年齢・皮膚の薄さ
→ 高齢者ほど皮下脂肪が少なく、出血が目立ちやすい。 - 活動量が多すぎる
→ 術後すぐに「歩きすぎ」「ストレッチしすぎ」も要注意。
膝のアザが出来やすいのは「元気すぎる患者さん」かもしれません(笑)
🧊 対処法とケア
皮下出血が見られた場合、次のように対処しましょう。
- 🧊 冷却(術後数日間)
手術部位が熱を持つ時期は、アイスパックなどで15〜20分程度冷やします。 - 🦵 弾性ストッキング・弾性包帯
下肢の血流を整えることで、皮下出血や浮腫を軽減できます。 - 🚶♀️ 過度な運動は控える
術後早期は“無理せず「リハビリをコツコツ」が原則。 - ⏰ 自然吸収を待つ
アザは時間とともに吸収されるため、焦る必要はありません。
🧠 皮下出血と血腫(hematoma)の違い
ここは整形外科医として、少し専門的に語りましょう。
皮下出血は「血液が拡散して皮膚の下に染み出した状態」ですが、
血腫は「血液が一箇所にたまった塊」です。
血腫が大きいと、痛みや感染リスクが高まります。
特に腫れが強く、熱っぽい、痛みが増している場合は要注意です。
📚 文献紹介
- Smith TO, et al. Incidence and clinical significance of postoperative hematoma following primary total hip replacement. Hip Int. 2010;20(4):482–486.
- Berend KR, Lombardi AV, et al. Complications of primary total hip arthroplasty: a comprehensive review. J Arthroplasty. 2006;21(4 Suppl 1):70–80.
- Hannon CP, et al. Postoperative complications after total hip arthroplasty: a review of current literature. Orthop Clin North Am. 2018;49(4):473–486.
これらの研究によると、軽度の皮下出血は非常に一般的で、多くの症例で自然吸収し、機能回復に影響しないことが報告されています。
😄 まとめ:皮下出血は“治る証拠”
人工股関節置換術後の皮下出血は、見た目こそ派手ですが、多くの場合は「体が治ろうとしているサイン」です。
むしろ「よくここまで頑張ってくれてるな」と、自分の体をねぎらってあげてください。
ただし、痛み・腫れ・熱感が強い場合は、遠慮せず医師に相談をしましょう。
見た目の紫色よりも、「中身(回復)」が大切です。
「アザが出た=異常」ではなく、「アザが引いてきた=順調」です。
人工股関節と一緒に新しい健康ライフを歩んでいきましょう。
以上、参考になりましたでしょうか!?
では、また!!
人工股関節置換術後の皮下出血はよくあるので心配しないでください!

「もうお昼じゃん!!」
起きたらお昼だったら滅茶苦茶焦って仕方ない整形外科医の塗山正宏でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医


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