おはようございます。
誰が何と言おうと筋トレが好きな塗山正宏です。
今日のテーマは、
人工股関節置換術で皮膚を切る長さについてです。
どんな手術でも基本は皮膚を切るところから始まります。
皮膚をメスを使って切開するわけです。
はい、メス!
人工股関節置換術を行う際にも、もちろん皮膚を切開しないと人工関節を入れることができません(笑)
人工股関節置換術が日本で始まった当初は、皮膚を20~30センチ切る時代もあったようですが、その後は、少し短くなり15~20センチくらいになったようです。
そして、徐々に手術をより低侵襲で行うために皮膚の切開をさらに短くするMISの手術が行われるようになりました。
通常10cm以下の切開で行う人工股関節置換術をMISでの人工股関節置換術と呼ばれるようになりました。
具体的に私が手術する際の実際の皮膚の切開の長さは、
・皮膚の切開の長さは平均的な女性の体形であれば8cm
・身長が低かったり、痩せ型の患者さんであれば6~7cm
・身長が高い、肥満体形、男性の患者さんの場合は9~10cm
くらいになることが多いです。
これはあくまでも私の場合です。
実際には病院や担当医師によって皮膚切開の長さは変わりますのでご注意を。
前外側進入法(ALS)は黒のラインで、前方進入法(DAA)は赤のラインになります。前外側のほうが皮膚切開の位置が若干後方になります。
ちなみに私の経験で今まで初回の人工股関節置換術での最も長い切開は
約13cm(体重約120kg)くらいだったと思います。
私の記憶によると、確か皮膚から骨までの距離が約9~10cm程度だったと思います。
かなり深くて・・・
とにかく手術が非常に大変でした・・・(涙)
結論として、皮下脂肪が厚ければ厚いほど、切開は長くなってしまいます・・・。
皮下脂肪が薄いほど手術はしやすいですね(笑)
ただし、私自身は皮膚の切開の長さにこだわっていません。
皮膚の切開の長さよりも、
・人工股関節をいかに正確に設置すること
・筋肉や腱などの軟部組織を可能な限り温存すること
が最も大事だと考えていますので。
人工股関節置換術は皮膚切開の長さよりも、正確な人工関節の設置が何よりも大事。
軟部組織をどうやって温存するかについてこだわっていきたい整形外科医の塗山正宏でした。
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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