おはようございます!
普段あまり食べませんが麺類が好きな塗山正宏です。
本日のテーマは、
両側同時人工股関節全置換術についてです。
両側同時人工股関節全置換術というのは、両方の股関節を1回の手術で人工股関節に置換する手術ということです。
入院中に別の日にわけて両側の人工股関節置換術を行う場合もあるようですが、それは両側同時人工股関節置換術ではありません。
昔は人工股関節置換術というのは、身体に対しての侵襲、ダメージ、ストレスが大きかったため両方の股関節を一度に手術するには様々なリスクがありました。
しかし、最近は筋肉を切らないMIS手術が行われるようになりました。
手術が低侵襲になったことにより、手術による身体へのダメージ、ストレスが軽減されたため、両側同時人工股関節置換術が行いやすくなりました。
よく患者さんから質問されるのですが、
両方の股関節を一度に手術して、リハビリは大丈夫なんですか?
と質問されます。
私の答えとしては、
リハビリは全く問題ありませんよ。
実際には、片脚の場合と両脚の場合とで入院期間には大きな差は出ません。
片脚と両脚とでは、イメージとしてリハビリが全然違うのではないか?両脚手術したら全然動けないんじゃないか?と思ってしまいますが、実際にはあまり大きな差がないのです。
両側同時人工股関節置換術は2回の入院に分けて手術を行う場合に比べて、入院期間の短縮や入院費用の軽減が期待できるのも大きなメリットです。
両側同時人工股関節置換術は、片脚ずつ手術を行う場合に比べて、リハビリ期間が半分になるのは非常に大きな利点だと思います。
私自身は、このような理由から両方の股関節が悪い患者さんに、基本的には両側同時人工股関節置換術をおすすめしています。
ただし、両側同時人工股関節置換術を行うには、まず低侵襲で人工股関節置換術を行えることが前提になりますので、手術自体が低侵襲でなければ両側同時人工股関節置換術は困難です。
低侵襲の人工股関節置換術でなければ、両側同時に人工股関節置換術を行った場合は、かなりのダメージが身体に加わりますので要注意です。
そのため、両側同時人工股関節置換術が出来る病院は限られているわけです。
実際、患者さんのなかには両側同時に人工股関節置換術ができるっていうのを知らない方も結構いるようですからね。
それを知っているか知らないかで、そこは大きな違いが出るところかなと思います。
患者さんのなかには、「両側同時に手術が出来るんだったら初めから両側同時に手術をしたかった!」っていう方もいますからね。
手術を受けるまえには色々調べておくのが大事だっていうことですね。
両方の股関節が悪い場合には、両側同時人工股関節置換術を検討しましょう。
年々時間が経つのが早く感じるようになっている整形外科医の塗山正宏です。
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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