おはようございます!
手術って奥がとんでもなく深いと常々感じている塗山正宏です。
本日のテーマは、
両側同時人工股関節全置換術の体位についてです。
両側同時人工股関節全置換術を行うにあたり
仰臥位(あおむけ)で手術をするか
側臥位(よこむき)で手術をするかで、実は大きな差があります。
私が行っている仰臥位の場合は、片脚の人工股関節置換術が終わっても、体位変換(体勢を変える)が必要ないため、もう一方の股関節をすぐに手術を始めることができます。
そのため、手術と手術の間のロスタイムが短くなります。
反対に側臥位で両側同時人工股関節全置換術を行う時には、片脚の人工股関節置換術が終わると体位変換(体勢を変える)の必要があります。
体にかけてある清潔な布を一度全部はがして、体の向きを反対に変えて、再度消毒を行い、清潔な布をかける必要があります。
そして、執刀医は通常体位変換後に再度手を洗いなおす必要があります。
このように手術と手術の間のロスタイムが長くなります。
そのため、側臥位で両側同時人工股関節置換術を行う場合のほうが、明らかに手術時間は長くなります。
もちろんその間も麻酔はかかっていますので麻酔している時間も長くなります。
私は、このような理由から両側同時人工股関節置換術を行うのであれば、仰臥位で行うのがベストだと思っています。
少しでも手術時間と麻酔時間は短いほうが手術後の回復が早くなりますからね。
何事もよりベストを尽くしたいですからね。
両側同時の人工股関節置換術は仰臥位で行うのがベスト!
たまにカレーライスが無性に食べたくなる整形外科医の塗山正宏でした。
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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