おはようございます。
船に長時間乗ると船と自分に酔ってしまう塗山正宏です。
うげーーーーー。
というわけで、とやまブログ500本目の投稿です!
お褒めの言葉お待ちしております笑。
今回のテーマは、
人工股関節置換術と術後の嘔気についてです。
人工関節の手術を行う際には全身麻酔を行います。
全身麻酔の副作用として術後の嘔気があります。
専門的にはPONV(postoperative nausea and vomiting)と呼ばれていて、術後の悪心・嘔吐のことです。
その発生頻度は25~30%とされています。
術後の嘔気は、一晩や数時間で治まることが多いのですが、やはり辛いですよね。
吐き気があると、水分や食事の摂取が困難になり、術後の回復に影響を与えることがあります。
術後の嘔気は、以下のような要因によって引き起こされると考えられています。
①麻酔薬の作用:麻酔薬は、脳や胃腸の神経を刺激して吐き気を誘発することがあります。特に、麻酔の深さを調節するために使われる麻酔ガスは、吐き気の原因となることが多いです。
②手術の種類や時間:手術の種類や時間によって、吐き気の発生率が異なります。一般的に、腹部や頭頸部の手術は吐き気が起こりやすいと言われています。また、手術時間が長いほど吐き気のリスクが高くなります。
また、術後の嘔気のリスク因子としては、
などが言われています。
男性よりも女性のほうが、術後の嘔気が出やすい傾向があります。
嘔気が続いてしまうと、リハビリが進まないため、術後の痛みよりも精神的に辛い部分があるかもしれません。
この術後の嘔気を予防するためには、以下のような対策があげられます。
私は、術後の嘔気が少しでも出る確率が減るように、手術前から吐き気止めのお薬を使って、なるべく出ないように予防策を行っています。
もちろん手術後も吐き気止めの薬を使います。
ただ予防策をとっても、術後の嘔気や悪心を完全に防ぎきることが難しいのが現状です。
これからも少しでも嘔気がでないように、対策を立てていきたいと思います。
将来この薬を使えば、確実に嘔気が止まる薬というものが発売される事を期待します!
術後の悪心と嘔吐の予防対策は大事!
「なんで録画出来てないんだ~!!」
すっかりテレビを録画する事は無くなった整形外科医の塗山正宏でした。
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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