おはようございます!
正月明けは一年のうちで一番体重が重い時期な気がする塗山です。
減量しなきゃ!
今回のテーマは、
人工股関節置換術後の杖の使い方と卒業のタイミングについてです。
2025年もブログをたまにアップしていきますよ!
人工股関節置換術後の杖の使い方と卒業のタイミング
こんにちは、整形外科医の塗山正宏です。
今回は「人工股関節置換術後の杖の使い方と卒業のタイミング」についてお話しします。
手術後の回復にはリハビリが重要で、特に杖などの歩行補助具の使用はリハビリ初期において欠かせないサポートです。
この記事では、杖や歩行器の正しい使い方と、卒業のタイミングについて詳しく解説していきます。
人工股関節置換術後に必要な歩行補助具の種類
人工股関節置換術を受けた直後は、股関節の回復を待つ間、歩行補助具を使って股関節に負荷がかかりすぎないようにする必要があります。
一般的に使用される補助具には以下の種類があります。
- 杖
術後の回復が進んだ段階で使用されます。杖は体のバランスをサポートし、股関節への負荷を軽減します。片方の手で持つことができるため、比較的自由な動きが可能です。 - 松葉杖
術後すぐの段階では、股関節の状態によっては、松葉杖を使用する事があります。両手で支えるため、股関節にかかる体重を大幅に減らすことができます。リハビリ初期の段階で重要な役割を果たすことがあります。 - ウォーカー(歩行器)
歩行が不安定な場合や、体重を大きくサポートする必要がある場合には、ウォーカーが用いられます。安定性が高く、特に高齢者や手術後すぐの患者さんに適しています。
歩行補助具の使い方
歩行補助具を正しく使うことで、股関節の負担を軽減し、スムーズな回復を促進します。以下のポイントに注意して、補助具を使用してください。
- 杖の使い方
杖は手術した側とは反対の手で持ちます。歩く際には、手術した脚と杖を同時に前に出し、健康な脚でバランスを取るように歩行します。この方法で、股関節への負担を軽減しながら安定した歩行が可能です。 - 松葉杖の使い方
両手で持つ松葉杖は、体重をほぼ完全に腕で支えるため、股関節に負担をかけずに歩行が可能です。歩行時には、松葉杖を前に出し、手術した脚を後から軽くつくように進みます。 - ウォーカー(歩行器)の使い方
ウォーカーを使用する場合は、手術した脚に過度な負荷がかからないように注意しながら、腕で体重を支え、歩行器と共に一歩ずつ進みます。転倒を防ぎながら安全に移動できるため、バランスが不安定な術後早期の患者さんに適しています。
補助具の卒業タイミング
人工股関節置換術後、歩行補助具をいつ卒業できるかは個人差がありますが、以下のようなタイミングが目安となります。
- 股関節の安定性が回復した時
股関節が安定し、体重をかけても痛みや違和感がなくなってきた時が、補助具卒業のタイミングの一つです。この段階では、杖などの補助具を使用しながら、徐々に自力で歩行できるようになります。 - 筋力の回復
リハビリを通じて、股関節周辺の筋力が十分に回復した時が、補助具卒業の大きなサインです。特に、大腿四頭筋や臀部の筋肉が回復することで、歩行時に必要な安定感が得られます。 - 医師や理学療法士の判断
最終的には、医師や理学療法士の評価を基に補助具の卒業を決定します。定期的な診察で、関節の可動域や筋力の評価を行い、安全に歩行できると判断された時が、補助具を手放すタイミングです。
卒業後の注意点
歩行補助具を卒業した後も、無理をせず慎重に行動することが大切です。股関節に再び負担をかけないために、以下の点に注意しましょう。
- 股関節に負荷をかけない運動
スイミングや自転車など、股関節に優しい運動を取り入れることで、股関節の柔軟性や筋力を維持することができます。 - 転倒予防
家の中で転びやすい場所や障害物を避け、しっかりとした靴を履くことで、転倒リスクを最小限に抑えましょう。
まとめ
人工股関節置換術後の杖などの歩行補助具は、股関節の回復をサポートする大切な役割を果たします。
補助具を正しく使用し、適切なタイミングで卒業することで、手術後のリハビリがよりスムーズに進みます。
術後早期は無理に早く杖を使わずに歩行するよりは、確実に杖を使用し股関節に過度な負担がかかる事を避けましょう。
過度な負担がかかることにより、筋肉に負荷がかかりすぎて筋肉を痛めてしまう場合や、インプラント周囲に骨折を起こす場合がありますので気をつけましょう。
回復のスピードには個人差があるため、焦らず医師や理学療法士の指導に従ってください。
歩行補助具を卒業しても、日常生活で股関節を大切に扱うことを忘れずに、健康的な生活を送りましょう。
とにかく焦らず、術後早期は杖をしばらく使うようにしましょう!
焦りは禁物ですよ!
術後早期は確実に杖などの歩行補助具を使用し、過度な負担がかからないようにしましょう。
「カモメ~カモメ~カモメ~♪」
来世は鳥類に生まれ変わって空を飛び続けたい整形外科医の塗山正宏でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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