おはようございます!
南海トラフ地震がいつ来るのか不安で仕方がない塗山です。
今回のテーマは、
人工股関節置換術と術後骨折についてです。

術後骨折はとても怖い合併症です。

骨折はとても怖いわ…
人工股関節置換術と術後骨折
みなさん!お待たせしました!
整形外科医の塗山正宏が人工関節について語る時間がやってまいりました。
それでは始めていきますよ。
人工股関節置換術(Total Hip Arthroplasty,:THA)は、変形性股関節症や特発性大腿骨頭壊死症などの疾患による股関節の痛みや可動域制限を改善するための代表的な手術です。
しかし、術後には稀に「術後骨折」という合併症が発生することがあります。
本記事では、人工股関節置換術に伴う術後骨折について、その原因、予防方法、治療法を整形外科医の塗山正宏が微笑みを交えながら解説します。
術後骨折とは
術後骨折は、人工股関節置換術後に大腿骨や周囲の骨が骨折する合併症を指します。
これらは、手術中に発生することもあれば、術後の転倒や外力によって起こることもあります。
ここではステム周囲骨折について詳しくみていきます。
ステム周囲骨折の分類
術後骨折は、Vancouver分類によって以下のように分類されます:
- タイプA:人工関節周囲の小転子、大転子付近の骨折
- タイプB:ステム遠位部の周囲の骨折
- タイプC:ステムの先端よりも遠位の骨折
この分類は治療方針を決定する際に非常に重要です。

術後骨折の原因
- 骨質の低下:高齢者や骨粗鬆症の患者さんでは、骨の強度が低下しているため、骨折リスクが高まります。
- 手術手技:骨切りやステム挿入時の力学的な影響が、手術中の骨折を引き起こすことがあります。
- 術後の外力:転倒や外傷が術後骨折の主な原因となります。
- インプラントと骨の適合性:適切でないインプラントの選択や設置が、骨折リスクを高める可能性があります。
術後人工股関節周囲骨折の治療法
術後骨折の治療法は、骨折の部位や程度、患者の全身状態によって異なります。
保存的治療
軽度の骨折や、インプラントの安定性が保たれている場合には、保存的治療が選択されることがあります。
外科的治療
以下の方法が一般的です:
- 内固定:スクリューやプレートを用いて骨折部を固定する。
- 再置換術:インプラントの再置換を行う。
- 骨移植:骨欠損を補うために自家骨や人工骨を使用する。
術後骨折の予防
- 骨粗鬆症の治療:術前から骨粗鬆症の治療を行い、骨密度を向上させる。
- 転倒予防:術後リハビリテーションを通じて筋力を強化し、転倒リスクを低減する。
- 適切なインプラント選択:患者さんの骨の形状や質に適したインプラントを選択する。
- 術中の慎重な操作:骨への過度な負荷を避けるため、適切な手技を心がける。
3番と4番は執刀医が注意しなければいけないことですね。
最新の研究と知見
- Johansson et al. (2021) Vancouver分類Bタイプの骨折では、再置換術が保存的治療よりも良好な成績を示すと報告されています。
- Smith et al. (2022) 術前の骨粗鬆症治療により、術後骨折率が30%低下することが示されました。
まとめ
人工股関節置換術後の骨折は、患者さんの生活の質に大きな影響を与える可能性があります。
術後骨折を予防するためには、骨粗鬆症の治療やリハビリテーション、適切なインプラント選択が重要です。
また、万が一骨折が発生した場合には、適切な診断と治療を行うことで再度股関節の機能の回復が期待できます。
ただし、後遺症が残る可能性はありますので、やはり術後骨折は避けるべきでしょう。
患者さん一人ひとりに合った治療と予防策を講じることで、術後の安全性と満足度を高めることができます。
とにかく術後骨折は再手術になる可能性がありますので、転倒にはとにかく気をつけていきましょうね!
約束ですよ!
よろしくっ!
人工股関節の術後骨折は再手術になる可能性が高いので注意しましょう!

「格之進ハンバーグ!!」
ハンバーグから出る肉汁で幸せを感じる事ができる整形外科医の塗山正宏でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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