股関節363 変形性股関節症と坐骨神経痛

坐骨神経痛 股関節

おはようございます!
たまに神経痛が出る気がする塗山です。
年老いたせいかな??汗





今回のテーマは、

変形性股関節症と坐骨神経痛についてです。




塗山先生
塗山先生

坐骨神経痛を感じた事ありますか?

ぎゆうさん
ぎゆうさん

最近、お尻が痛くて…




こんにちは!整形外科医の塗山正宏です。

みずえさん
みずえさん

最近、お尻から太ももにかけてビリビリしびれるんです

ぎょうめいさん
ぎょうめいさん

整形外科に行ったら“坐骨神経痛”って言われました


このような訴え、実は日常診療でとても多いんです。

でも、その“坐骨神経痛”――本当に腰だけが原因でしょうか?

実は、変形性股関節症が隠れた犯人であることも少なくありません。

今日は、そんな“股関節と坐骨神経痛の意外な関係”を、整形外科医の塗山正宏が笑顔満載で解説します。


1. 坐骨神経痛=腰の病気、とは限らない!

まず、「坐骨神経痛」とは病名ではなく、“症状の名前”です。

坐骨神経という長~い神経(人間の体で最も太い神経)が、どこかで刺激や圧迫を受けて起こる、痛み・しびれ・違和感の総称です。

原因は主に3つ。

原因代表的な疾患症状の特徴
腰椎由来腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症など腰痛や下肢のしびれ
臀部由来梨状筋症候群など座るとお尻が痛い、足に放散痛
股関節由来変形性股関節症など股関節の動きで痛みが変化、鼠径部~大腿外側痛

「坐骨神経痛」というと腰を疑う人が多いですが、実は股関節の変形や炎症によっても坐骨神経が刺激されることがあります。

つまり、腰に治療をしても治らない“坐骨神経痛”は、股関節が真犯人かもしれません。


2. 変形性股関節症が坐骨神経痛を引き起こすメカニズム

変形性股関節症は、関節軟骨がすり減り、骨棘(こつきょく)や炎症が起こる病気です。

この変化によって、周囲の筋肉や神経に影響が及びます。

🩻 神経痛が起こる主なパターン:

  1. 骨棘や関節包の肥厚による坐骨神経の圧迫
    → 特に股関節後方の構造が変形すると、坐骨神経の走行部位にストレスがかかります。
  2. 臀筋群(中臀筋・小臀筋・梨状筋など)の過緊張
    → 股関節の変形によりバランスを崩した筋肉が硬くなり、神経を圧迫します。
  3. 関節可動域の低下による代償動作
    → 歩行時に骨盤がゆがみ、腰椎や神経に余分な負担がかかります。

つまり、股関節の変形が進むと、神経が「おい、押さないで!」と悲鳴を上げるようになるわけです。


3. 腰?股関節?どっちが原因かを見分けるポイント

診察中によく患者さんに説明するのが、「痛みの場所と動きで見分けましょう」という考え方です。

チェック項目腰椎性(腰が原因)股関節性(股関節が原因)
痛みの出る位置お尻~太もも裏~ふくらはぎ鼠径部、太もも外側、お尻
動かすと痛い部位前かがみ・腰のひねり股関節の曲げ伸ばし・開脚
安静時痛じっとしていても痛い夜間痛や動作時痛が出る
歩行時の特徴足が痛みとしびれで歩けない跛行や可動域制限あり

つまり、「靴下をはこうとした時に股関節が痛い」「足の付け根を押すと痛い」

そんなときは、股関節が原因の「坐骨神経痛」かもしれません。


4. 対応・治療法

原因が股関節にある場合、腰に対する治療では効果が薄いことが多いです。

そのため、根本的には股関節の治療が重要になります。

治療法内容
保存療法NSAIDs(消炎鎮痛薬)、リハビリ、ストレッチ、筋トレ
運動療法臀部・大腿筋群のストレッチ、股関節可動域訓練
装具・杖の使用負担軽減と歩行バランスの改善
手術療法進行例では人工股関節置換術(THA)が有効

リハビリでは、「お尻の筋肉を柔らかく保つ」「骨盤をまっすぐに使う」ことが大切です。

梨状筋ストレッチや大腿筋膜張筋のリリースは、神経圧迫の軽減に有効とされています。

ちなみに、無理なストレッチで「イタタタッ!」と声が出るのも、坐骨神経が「まだ無理!」と主張しているサインかもしれません(笑)


5. 参考文献

  • Matsuyama Y, et al. Hip-spine syndrome: significance of spinopelvic alignment in hip disorders. Orthop Clin North Am. 2001;32(3):479–489.
  • Offierski CM, MacNab I. Hip-spine syndrome. Spine (Phila Pa 1976). 1983;8(3):316–321.
  • 日本整形外科学会「変形性股関節症診療ガイドライン 2021」

これらの研究では、股関節疾患と腰部神経症状は密接に関係することが報告されており、いわゆる「Hip-Spine Syndrome(ヒップ・スパイン症候群)」として知られています。


6. まとめ:「腰のせいにする前に、股関節をチェック!」

坐骨神経痛=腰の病気、という思い込みは要注意です。

特に、股関節の動きが悪い・足の付け根が痛い・脚をひきづるといった症状がある場合、股関節性の坐骨神経痛を疑う必要があります。

整形外科では、レントゲンやMRIで股関節と腰椎の両方を評価することで、本当の原因を見極めることができます。

腰を攻めても治らないときは、股関節を疑え。

それが、整形外科医塗山からの締めの言葉です(笑顔)。

以上、参考になりましたでしょうか!?

じゃあまた!!


坐骨神経痛の原因として、股関節由来の場合があるから要注意!

ストレッチ

「ストレッチは継続がとても大事!」



身体が硬くならないようにストレッチを欠かしたくない整形外科医の塗山正宏でした!

【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医

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