おはようございます!
軟骨のすり減りには敏感な塗山です。
あ、ちなみに6月5日は私の誕生日ですからね!
塗山正宏の生誕祭です!笑
今回のテーマは、
変形性膝関節症と軟骨の厚みについてです。

膝にとって軟骨はとても大事!

この前、軟骨がすり減っていると言われたわ…
変形性膝関節症と軟骨の厚み:進行予測と治療の最新知見
こんちわ~、整形外科医の塗山正宏です。
今日は膝のお話の時間ですよ!
では、始めていきます。
変形性膝関節症(OA: Osteoarthritis of the Knee)は、膝関節の軟骨が徐々にすり減り、痛みや可動域の制限を引き起こす慢性疾患です。
膝関節の軟骨の厚みは、変形性膝関節症の進行度を示す重要な指標であり、診断や治療方針の決定に大きく関与します。
この記事では、軟骨の厚みと変形性膝関節症の関連性、評価方法、進行を抑制する治療法について塗山正宏が解説していきます。
軟骨の厚みと変形性膝関節症の関係
軟骨は関節のクッションの役割を果たし、骨同士が直接接触するのを防いでいます。
健康な膝関節では、軟骨の厚みは約2〜4mm程度ありますが、変形性膝関節症の進行に伴い、軟骨が摩耗し、厚みが減少します。
軟骨の厚みが減少すると起こること
- 関節のクッション機能の低下 → 衝撃を吸収できず、膝関節の痛みが増加
- 骨同士の摩擦増加 → 骨棘(骨のとげ)が形成される
- 関節液の変化 → 炎症が起こり、腫れやこわばりが発生
特に、内側大腿脛骨関節(内側コンパートメント)の軟骨は最も早く摩耗しやすく、O脚の原因ともなります。
軟骨の厚みの評価方法
1. X線検査(レントゲン)
X線では直接軟骨を評価できませんが、関節裂隙(joint space width: JSW)の狭小化から軟骨の摩耗を推測します。
2. MRI(磁気共鳴画像診断)
MRIは軟骨の厚みを直接測定でき、局所的な摩耗や微細な変化を詳細に評価するのに適しています。
3. 超音波検査
超音波でも軟骨の厚みを測定でき、低コストで繰り返し評価が可能です。
軟骨の厚みを維持・改善する治療法
1. 体重管理
過剰な体重は膝関節に大きな負担をかけ、軟骨の摩耗を加速させます。
5kgの体重減少で膝関節への負担が約20kg軽減されると報告されています。
2. 運動療法
適度な運動は、膝関節の可動性を維持し、軟骨への血流を促進します。
- 水中運動(プール歩行) → 膝関節への負担を軽減
- 大腿四頭筋の強化 → 膝関節の安定性向上
3. 薬物療法
- ヒアルロン酸注射:関節内の潤滑を改善し、炎症を抑えて痛みを軽減させる
- NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬):炎症を抑え、疼痛を軽減させる
4. 再生医療(PRP・幹細胞治療)
近年、自己血小板を利用したPRP療法や脂肪幹細胞注射が注目されています。これらの治療によって膝関節の疼痛が改善する可能性があります。
文献紹介
- Hunter DJ, et al. (2011)
“The Role of MRI in OA Research” – Osteoarthritis and Cartilage
→ MRIによる軟骨厚測定の有用性を検討し、早期診断の重要性を指摘。 - Felson DT, et al. (2013)
“Weight Loss Reduces the Risk for Knee OA” – Annals of Internal Medicine
→ 体重減少が膝関節症の進行を抑制することを報告。 - Loeser RF, et al. (2017)
“Mechanisms of Cartilage Loss in OA” – Nature Reviews Rheumatology
→ 軟骨の摩耗メカニズムと、治療ターゲットに関する最新研究。
まとめ
軟骨の厚みは変形性膝関節症の進行度を示す重要な指標であり、MRIなどの検査で評価が可能です。
軟骨の摩耗を抑えるためには、体重管理、運動療法が推奨されます。
さらに、PRPや幹細胞治療などの再生医療も今後の治療選択肢として期待されています。
変形性膝関節症の進行を防ぐために、早期から適切な対策を講じることが大切です。
何事も早期治療が大事なんです!
おわかりいただけましたでしょうか?
放置はダメですからね!
では、また!
変形性膝関節症は早期対処することによって軟骨のすり減りを遅らせましょう!

「なんとなくとやままさひろのロゴを作ってみた笑」
軟骨はなんとか減らしたくないと切に願う軟骨温存派の整形外科医の塗山正宏でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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