膝関節77 変形性膝関節症の運動療法

運動療法 膝関節

おはようございマンモスダッピ~♪
たまには「のりピー語」を操ってみる塗山正宏です。





今日のテーマは、

変形性膝関節症の運動療法についてです。





今回は変形性膝関節症の運動療法について深く掘り下げていきますので、気合いをいれていきましょう!

変形性膝関節症の運動療法

変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨がすり減って骨同士がぶつかり合うことで、痛みやひざの曲げ伸ばしの障害が起こる病気です。

変形性膝関節症は、加齢や肥満、過度な負荷などによって発症しやすく、日本では高齢者の約4割が罹患していると言われています。

変形性膝関節症の治療法には、薬物療法や物理療法、関節注射などがありますが、これらはあくまで症状を和らげるものであり、根本的な解決にはなりません。

変形性膝関節症の進行を抑えるためには、運動療法が重要です。

運動療法とは、自分で行うストレッチや筋力トレーニングなどの運動を指します。

運動療法には以下のような効果があります。

運動療法の効果
  • 膝を支える筋肉を強化し、関節への負担を減らす
  • 膝関節の可動域を広げ、膝関節の拘縮を防ぐ
  • 肥満の予防・改善により、体重による関節への圧迫を減らす
  • 血行を促進し、軟骨や滑液の代謝を改善する
  • 炎症や疼痛を抑制する

運動療法は、国際変形性関節症学会(OARSI)や日本整形外科学会などが発表した変形性膝関節症のガイドラインで推奨されており、多くの臨床試験でその有効性が確認されています 。

では、具体的にどのような運動をすれば良いのでしょうか。

ここでは、変形性膝関節症に対する運動療法として、

「可動域拡大訓練」

「筋力強化訓練」

「有酸素運動」

の3つが重要です。

可動域拡大訓練

膝関節の可動域拡大訓練とは、膝関節周辺の靭帯や関節包という膜、筋肉などが固くなってしまい、膝を曲げ伸ばしできる角度に制限が出てしまうのを防ぐために行うストレッチです。

膝関節の可動域制限が進むと、正座やしゃがむといった動作が難しくなったり、重症になると立つ・座る・歩くといった動作もスムーズにできなくなってしまいます。

このように日常生活に大きな支障が出ないようにするためにも、変形性膝関節症の人は膝を曲げるストレッチ、膝を伸ばすストレッチを行い、膝関節の可動域を広げることが重要です。

筋力強化訓練

筋力トレーニングでは、特に大腿四頭筋という太ももの前側にある筋肉を鍛えることが重要です。

大腿四頭筋は、膝関節の安定性や衝撃吸収に大きく関わっており、変形性膝関節症の予防や進行の抑制に効果的です。

有酸素運動

有酸素運動とは、心拍数や呼吸数が上がるような持久性の運動です。

有酸素運動は、全身の血流や代謝を高めることで、関節や筋肉の栄養や酸素供給を改善する効果があります。

また、有酸素運動は体重のコントロールにも有効です。

有酸素運動には、ウォーキングやサイクリング、水泳などがあります。

変形性膝関節症の人は、膝に負担の少ない運動を選ぶことが大切です。

例えば、ウォーキングの場合は、歩幅や歩数を調整したり、靴やインソールを工夫したりすることで、膝への衝撃を減らすことができます。

まとめ

変形性膝関節症にとって運動療法はとても大事な治療方法です。

運動療法は、「可動域拡大訓練」「筋力強化訓練」「有酸素運動」の3つが代表的な運動です。

これらの運動は、無理をせず自分のペースで継続することが大切です。

また、運動前後には十分な休息や水分補給も忘れずに行いましょう。

変形性膝関節症は、完治することは難しい病気ですが、適切な運動療法を行うことで、痛みを和らげたり、関節の機能を保ったりすることができます。

変形の進行を遅らせる事も出来るかもしれません。

日常生活に支障が出ないようにするためにも、運動療法を定期的に継続して行うようにしていきましょう。

継続は力なりです!


変形性膝関節症になったらまずは運動療法を頑張りましょう!

猫

「ご主人様、なにかありますかにゃ?」

なんだかんだで猫よりも犬が好きかもしれない整形外科医の塗山正宏ですにゃ。


【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医

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