おはようございます。
いつまでも自分の関節は大事にしていきたい塗山正宏です。
今回のテーマは
再生医療とAPS療法についてです。
私は普段人工関節の手術を行っていますが、どうしても手術を受けたくないという患者さんがいらっしゃいます。
痛くて痛くて・・・でも、手術はしたくないんです・・・。
そんな患者さんのために、人工関節手術を受けるまでの治療の選択肢として再生医療があります。
以前は変形性関節症に対する再生医療という治療の選択肢はありませんでした。
しかし、ここ数年で再生医療の分野が年々進んで来ています。
そこでより再生医療に力を入れるために現在APS注射とPFC-FD注射を行っています。
APS注射を行うためには第2種再生医療等提供計画番号が必要です。
当初はPFC-FD注射のみを行っていましたが、2019年3月から再生医療の一つの治療としてAPS療法を開始しました。
APS(Autologous Protein Solution:⾃⼰タンパク質溶液)は、次世代PRPと言われています。
APSはPRPから抗炎症成分など関節治療に特化した成分を取り出したものです。
PRPのなかでもAPSは変形性関節症の治療に特化したものと考えてください。
APS療法は、膝関節内で炎症を引き起こすたんぱく質(炎症性サイトカイン)の活動を阻害します。
炎症を抑えることで関節の痛みを軽減させます。
臨床試験の研究では中程度までの変形性膝関節症において1回の注⼊で最大24ヶ月間に渡って関節の痛みと関節の機能が改善が継続したと報告されています。
最近のデータだと3年間有効であったという報告も出てきているようです。
ただ注意点としては、変形性膝関節症が決して治るわけではないということです。
軟骨がモリモリ増えたり、曲がった膝が治るわけではないということを理解しておきましょう。
今後日本では益々再生医療が発展していくでしょう。
興味がある方は相談してみてください。
再生医療も関節治療の有効な選択肢のひとつ!
「サウナで勝手にとなりの人と勝負をしてしまう」
サウナで定期的に整えたいタイプの整形外科医の塗山正宏でした。
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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