股関節85 人工股関節置換術とセメントレスステム

セメントレスステム 股関節

おはようございます。
寒いと朝起きるのが辛くなってくる塗山正宏です。
布団にくるまってぬくぬくしたいですよね笑。



今回のテーマは、

人工股関節置換術とセメントレスステムについてです。




人工股関節のパーツのひとつとして、大腿骨に挿入されるステムがあります。

ステムのタイプは大きく二つに分かれていて、

人工股関節のステムの種類

セメントを使って骨に固定するセメントステム

セメントを使わずに骨と固着するのを待つセメントレスステム

があります。

私自身は現在は主にセメントレスステムを使用しています。

日本では8割以上の先生がセメントレスステムを使用しているのが現状です。

ちなみに、2020年度のデータによると、

人工股関節の固定方法

・セメントレス 83.77%

・ハイブリッド(カップはセメントレス、ステムがセメントステム) 10.57%

・セメント 5.66%

このデータをまとめると、

セメントレスステムが84%セメントステムが16%になりますね。


では、セメントレスステムというのは、どうやって骨に固定されるのでしょうか?

セメントレスステムは骨の中にピッタリしたサイズを挿入します。

ピッタリしたサイズのセメントレスステムがしっかりと大腿骨に固定されると、時間と共にステムの表面に徐々に骨が入り込んでいきます。

骨がステムの表面に入りこむと、ステムと骨がくっついてしまいます。

そうなんです、骨とステムが一体化してしまうのです。

一度ステムと骨が一体化してしまえば、そう簡単にステムが骨の中で緩むことは無くなります。

実際にステムと骨が一体化するのが、術後3か月がひとつの目安になります。

術後6か月経過するとさらに一体化します。

そのためしっかりステムが固定されるまでは、無理な運動は禁物なのです!!

ステムが固定されるまえに無理な負荷をかけると、ステムが緩んでしまう可能性や、ステムの周囲で骨折する可能性があるからです。

ただし、手術の際に大腿骨に適切なサイズのステムが入らないと、ステムに骨が入り込まずに、ステムが緩んでしまうことになります。

ステムが緩んでしまえば、再置換術が必要になります。

それを避けるためにも、しっかりと大腿骨に適切なサイズのステムを入れることが重要なのです!




セメントレスステムの場合は、骨が入り込むまでは無理な負荷をかけない!

画像1

「スマホ首には注意しよう!」

LINEゲームにはまっていた時期もあったけど、現在は卒業した整形外科医の塗山正宏でした。



【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医

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