おはようございます!
定期的に歯医者に通院している塗山正宏です。
いつまでも健康な歯を保ちたい!
今日のテーマは、
人工股関節置換術と歯科治療についてです。
今回は人工股関節の手術前後の歯科治療の話ですよ!
リラックスして読んでください!
今回は、人工股関節置換術を受けられる方が歯科治療についての注意すべきことについてお話ししたいと思います。
人工股関節置換術とは、変形性股関節症などで股関節の軟骨がすり減り、痛みや歩行障害がひどくなった場合に行われる手術です。
人工股関節は金属やセラミックなどの素材でできており、自分の骨としっかり固定されます。
この手術により、多くの方が痛みの軽減や歩行の改善を得られます。
しかし、人工股関節は感染に対して非常に弱いという欠点があります。
人工股関節に感染症が起こると、股関節周囲の炎症や発熱、膿が溜まったりなどの症状が現れ、場合によっては再手術や人工股関節の交換が必要になることもあります。
人工股関節の感染は、手術中や手術後の入院中に起こることもありますが、手術から数年後に起こることもあります。
その原因の一つが、歯科治療です。
歯の治療と人工股関節の感染の関係はどういうものでしょうか。
歯の治療というと、虫歯や歯周病などの口腔内の感染症を治すことを思い浮かべるかもしれません。
しかし、歯の治療には、抜歯や根管治療、インプラントなどの外科的な処置も含まれます。
これらの処置は、歯や歯茎に傷をつけることになります。
すると、口の中にいる細菌が血液に入り込むことがあります。これを菌血症と言います。
菌血症は、通常は自己免疫や抗生物質によって制御されますが、人工股関節の周りには血管が少なく、免疫細胞や薬が届きにくいという特徴があります。
そのため、菌血症によって体内に入った細菌が人工股関節に付着し、感染を引き起こす可能性があります。
特に、歯の治療によって起こる菌血症の中で、人工股関節の感染に関係する細菌は、緑色連鎖球菌という種類のものが多いと言われています。
この細菌は、歯周病や歯根膜炎などの慢性的な歯の病気によく見られるそうです。
では、どうすれば人工股関節の感染を防ぐことができるでしょうか。
まず、人工股関節置換術を受ける前に、必ず歯科医に相談して、虫歯や歯周病などの口腔内の感染症を治療しておくことが大切です。
人工股関節の手術をする際には、全身麻酔を行います。
全身麻酔では気管挿管を行う事が一般的です。
気管挿管を行う際には口を大きく開けますので、口を開ける際に歯がグラグラしていると歯が欠けたり抜けたりする可能性がありますので、手術前になるべくグラグラしている歯はないように注意しましょう。
また、誤嚥性肺炎を予防するためにも口腔内の状態をなるべく清潔な状態に保っておきましょう。
さらに手術後も定期的に歯科検診を受けて、口腔内の清潔を保つことが必要です。
もし、抜歯や根管治療などの外科的な歯の治療が必要になった場合は、歯科医に人工股関節置換術を受けたことを伝えてください。
歯科医は、歯の治療にあたり化膿止めの薬を処方したりすることで、菌血症のリスクを減らすことができます。
人工股関節置換術は、変形性股関節症の患者さんにとって、生活の質を向上させる有効な治療法です。
しかし、感染の危険性もありますので、術前・術後の口腔内の管理には十分に注意しましょう!
というか・・・
そもそも人工股関節の手術に関係なく、歯の状態を良好に保つことによって、食べ物を美味しく食べる事ができますので、歯科は定期的に通院してチェックを欠かさないようにしましょう笑。
歯の健康を保つのはとても大事ですからね!
人工股関節の手術前も手術後も歯の状態を定期的にチェックしましょう!
「刺身の盛り合わせじゃぁ~い!」
魚の良質な蛋白質を筋肉にプレゼントするのが好きな整形外科医の塗山正宏でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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