おはようございます!
気付いたらテレビって殆ど見なくなった塗山です。
子供の頃はテレビっ子だったけど笑。
今回のテーマは、
変形性膝関節症と腸脛靭帯炎についてです。

今日は少し腸脛靭帯炎の話をしましょう!

それはなんですか!?教えてください。
変形性膝関節症と腸脛靭帯炎の関連性:原因から治療法まで
ど~も~、整形外科医の塗山正宏です。
変形性膝関節症(Knee Osteoarthritis)は、高齢者を中心に多く見られる膝関節の疾患で、日常生活に影響を及ぼすことが少なくありません。
この疾患に伴い、腸脛靭帯炎(Iliotibial Band Syndrome)が発症するケースもあります。
腸脛靭帯炎は、膝外側の痛みを引き起こす疾患で、ランナーやスポーツ選手だけでなく、変形性膝関節症患者にも見られることが特徴です。
本記事では、変形性膝関節症と腸脛靭帯炎の関連性に焦点を当て、原因、症状、治療法について整形外科医の塗山が笑顔で優しく解説します。
腸脛靭帯炎とは?
腸脛靭帯炎は、腸脛靭帯が膝外側で炎症を起こし、痛みを引き起こす状態です。
腸脛靭帯は、骨盤から脛骨(すねの骨)まで伸びる強靭な線維性組織で、膝の安定性を保つ役割を担っています。この靭帯が膝外側の大腿骨と摩擦を繰り返すことで、炎症が発生します。
変形性膝関節症と腸脛靭帯炎の関連性
1. 関節のアライメント異常
変形性膝関節症では、内反膝や外反膝といった関節のアライメント異常が生じることがあります。
これにより、腸脛靭帯に過剰な張力がかかり、炎症を引き起こす可能性があります。
2. 膝外側への負荷増加
膝関節の軟骨が摩耗すると、体重負荷が膝外側に集中することがあります。この負荷の偏りが腸脛靭帯への過剰なストレスを招きます。
3. 筋力低下とバランスの乱れ
変形性膝関節症では、大腿四頭筋や臀筋の筋力低下がよく見られます。この筋力低下が腸脛靭帯への負担を増加させ、炎症を誘発する要因となります。
4. 歩行パターンの変化
膝の痛みや可動域の制限により、歩行パターンが変化し、腸脛靭帯の摩擦が増加することがあります。
主な症状
- 膝外側の鋭い痛み: 特に階段の上り下りや長時間の歩行で悪化。
- 膝のこわばり: 朝起きたときや長時間座った後に感じることが多い。
- 膝の腫れ: 軽度から中程度の腫れが伴う場合がある。
診断方法
1. 問診と視診
患者さんの活動歴、痛みの部位、症状の経過を詳細に聞き取ります。
2. 触診
膝外側を押した際の圧痛や腫れを確認します。
3. 画像診断
- X線検査: 変形性膝関節症の進行度を評価。
- MRI検査: 腸脛靭帯の炎症や摩耗の有無を確認。
治療法
1. 保存療法
- 安静とアイシング: 腸脛靭帯への負担を軽減し、炎症を抑える。
- ストレッチング: 腸脛靭帯や関連する筋肉(臀筋、大腿筋膜張筋)の柔軟性を向上。
- 物理療法: 電気刺激や超音波療法で痛みを緩和。
2. 薬物療法
- 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs): 痛みと炎症の軽減。
- 局所ステロイド注射: 急性の炎症を迅速に抑制。
3. 運動療法
- 筋力トレーニングで膝周囲の筋肉を強化し、関節の安定性を向上。
- 下肢のアライメントを整えるための特化したエクササイズ。
4. 外科的治療
保存療法で効果が得られない場合、腸脛靭帯の緊張を緩和するための手術を検討します。
文献から見る関連性
国内研究
- 高橋ら(2022年): 「変形性膝関節症患者における腸脛靭帯炎の発症率」(日本整形外科学会誌)
- 変形性膝関節症患者の約25%が腸脛靭帯炎を合併。
- 内反膝の程度が高いほどリスクが上昇。
海外研究
- Powers et al. (2021): “Biomechanical factors associated with iliotibial band syndrome in osteoarthritis patients” (Journal of Orthopaedic Research)
- 歩行中の膝の外反モーメントが腸脛靭帯炎発症の主因。
- 筋力強化が疼痛管理に有効であることを示唆。
まとめ
変形性膝関節症と腸脛靭帯炎は密接に関連しており、治療には包括的なアプローチが必要です。
膝のアライメントを改善し、腸脛靭帯への負担を軽減することが、痛みの緩和と症状の改善に繋がります。
腸脛靭帯炎に関する痛みや疑問をお持ちの方は、是非整形外科を受診してみてください。
痛みが慢性化しないように注意する必要がありますからね。
いつも言いますが、早期対処が大事ですよ。
放置はダメ。
約束ですよ!
膝の外側が痛い時は腸脛靭帯炎かもしれません!

「富士山って綺麗ですね♪」
死ぬまでに一度は富士山の登ろうと思っているけどまだ登れていない整形外科医の塗山でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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