股関節168 人工股関節置換術と深部静脈血栓症と肺血栓塞栓症

深部静脈血栓症 股関節

おはようございます!
身体が老化しないように筋トレに励む塗山正宏です。



今回のテーマは、

人工股関節置換術と深部静脈血栓症と肺血栓塞栓症についてです。




人工股関節置換術の合併症のひとつに深部静脈血栓症があります。

深部静脈血栓症とは一時期エコノミークラス症候群として話題になった病気です。




深部静脈血栓症とは、

下肢の静脈に血の塊(血栓)ができて血管をふさいでしまう病気」です。


肺血栓塞栓症とは、

血栓が何かの拍子にはがれて、血流に乗って肺まで到達し、肺の血管をふさいでしまう病気」です。

肺の血管がふさがると、血液ガスの交換がうまくおこなわれず、呼吸困難や胸の痛みを感じるようになります。

肺血栓塞栓症を発症した場合には命を落とす場合があります。

それくらい肺血栓塞栓症は恐ろしい病気です。

ちなみに、深部静脈血栓症の発生率は20~30%、症候性肺血栓塞栓症は0.5~1%、致死性肺血栓塞栓症は0.5%というデータがあります。



では、なぜ深部静脈血栓症は発生するのでしょうか??

人工股関節置換術を行うと体内で出血が起こります。人間の体は体内で出血が起きると、体内で出血を止めるために血を固めよう、固めようという働きが出ます(専門的に言うと、凝固系の亢進)。

そうなると血が固まりやすくなり、血栓が出来やすくなるのです。

そのため、深部静脈血栓症に対して予防するのがとても大事になります。

いかに血栓が出来ないように予防するかが大切なのです。


深部静脈血栓症の予防

・手術後早期からの足関節の自動運動、他動運動
・早期離床
・深呼吸
・弾性ストッキング
・フットポンプ
・抗凝固薬

などがあります。

ひとつの方法ではなく、様々な方法で予防することが大事です。

私は手術における出血をなるべく少なくして、さらに術後当日から離床を行うことによって、少しでも血栓症の発生リスクを下げるようにしています。

早期離床が血栓予防に有効になりますからね。

可能な限り予防するのが大事です!


深部静脈血栓症の対策は徹底的に行う!

「テニスボールで筋肉をほぐそう!」

硬くなった筋肉にはテニスボールでほぐすのが気持ちいいと感じる整形外科医の塗山正宏でした。


【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医

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