股関節199 変形性股関節症の手術を考える時

股関節

おはようございます。
6月生まれ双子座の塗山正宏です。
私は双子ではありませんけどね!




今回のテーマは、

変形性股関節症の手術を考えるときについてです。







変形性股関節症が進んだ場合に、

佐藤さん
佐藤さん

いつ手術するべきですか?

田中さん
田中さん

そもそも手術したほうがいいのですか?

伊藤さん
伊藤さん

手術しなければいけないのですか?

外来診療のなかでこのような質問を受けることがあります。

変形性股関節症は、前期・初期・進行期・末期の4段階に分かれます(厳密にいうと前期ではなく前股関節症ですが、わかりやすくするために前期という言葉を用いています)。

変形性股関節症のステージが進めば、痛みが強くなり、歩行に支障が出てきます。

変形性股関節症のステージがどの段階であろうと、まずは保存療法を検討します。

しかし、保存療法を行っても股関節の痛みが軽減しない場合や、明らかに保存療法を行っても症状の改善が困難なほど病状が進行している場合などには手術を検討します。

実際、末期変形性股関節症の場合には保存療法を試すのが困難なケースが多くなります。

手術を行うかどうか判断する要素としては、

・股関節痛の程度

・日常生活の不便さ

・年齢

・仕事の内容

・やりたい趣味が出来ない

などがあり、様々な要素を総合的に考慮して手術をするかどうか決定します。

股関節痛のために日常生活でどれだけ支障をきたしているということが、手術を決定するうえで最も重要な要素になります。

末期の変形性股関節症でも症状が軽く、日常生活に困っていなければ手術の必要性はありません。

また、一方で日常生活ではあまり問題ない状態だけれども、趣味のスポーツを痛みなく行うために手術を検討するという選択肢もあるかと思います。

内臓疾患のガンとは違い、変形性股関節症は必ず手術をしなければいけない病気ではないのです。

ただし、治る病気ではありません。

変形性股関節症は、基本的には徐々に進行していく病気です。

症状が進行していくと歩行の障害、股関節の可動域の制限(動きが悪くなってくる)が出てきます。

靴下がはけない、しゃがめない、階段昇降が困難になるなどの日常生活に影響がでるようであれば、それは手術のタイミングだと思います。

最終的には患者さん自身で手術をするかどうかを決めなければいけません。

ひとりで考えていても判断がつかないときがありますので、良くわからないときは医師と相談するのが重要です。

股関節の痛みで困ったら、まずは医師と相談しましょう!


人生の時間を無駄にしないためにも、良いタイミングで手術を検討しましょう!


聴診器

「あ~、これはあれですね~、え~っと、そう!あれですよ(思い出せない)。」


人生の時間をなるべく有効に活用していきたい整形外科医の塗山正宏でした。

【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医

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