おはようございます!
痛みが出るとなかなか治りづらくなっている気がする塗山正宏です。
老化ですね…涙。
今回のテーマは、
人工股関節置換術と慢性疼痛についてです。
慢性疼痛。怖い痛みですね…涙
慢性的な痛み?怖いですね…
人工股関節置換術と慢性疼痛
こんにちは、整形外科医の塗山正宏です。
本日は、人工股関節置換術(Total Hip Arthroplasty)と慢性疼痛についてお話しします。
股関節の変形性関節症などで慢性的な痛みに悩まされる患者さんにとって、人工股関節置換術は効果的な治療法の一つです。
しかし、手術後も慢性疼痛が続くことがあります。
この記事では、手術の効果、術後の慢性疼痛の原因、そしてその管理方法について塗山正宏が優しく解説します。
人工股関節置換術とは
人工股関節置換術(Total Hip Arthroplasty:THA)は、損傷した股関節を人工関節に置き換える手術です。
この手術は、変形性股関節症、関節リウマチ、股関節の骨折などにより、股関節の痛みや機能障害がある患者さんに対して行われます。
人工関節は通常、金属やセラミック、ポリエチレンなどの耐久性の高い素材で作られており、手術後には痛みの軽減や股関節の可動域の改善が期待されます。
人工股関節置換術の効果
痛みの軽減
人工股関節置換術は、多くの患者さんにおいて、股関節の痛みを劇的に軽減します。
手術によって損傷した軟骨や骨が取り除かれ、人工股関節が正常な機能を果たすことで、痛みの原因が取り除かれるためです。
多くの患者さんが手術後には日常生活の股関節の痛みから解放され、活動の幅が広がります。
関節機能の改善
手術により股関節の可動域が改善され、歩行や運動が容易になります。
これにより、患者さんの生活の質が向上し、よりアクティブな生活を送ることが可能になります。
生活の質の向上
股関節の痛みの軽減と股関節機能の改善により、患者さんの生活の質が大幅に向上します。
日常生活の動作が楽になり、股関節の周囲の筋力が回復すれば、趣味やスポーツを楽しむことができるようになります。
術後の慢性疼痛の原因
組織の損傷や炎症
手術中に周囲の筋肉や軟部組織が損傷を受けることがあります。
この損傷や炎症が術後の慢性疼痛の原因となることがあります。
通常、これらの痛みは術後数週間から数ヶ月で軽減しますが、一部の患者さんでは長期間にわたって続くことがあります。
人工関節の不適合や摩耗
人工股関節が適切に設置されていなかったり、人工股関節が周囲の組織を圧迫するような状態が生じたりすると、術後の慢性疼痛の原因となることがあります。
特に、人工関節の一部が周囲の組織に過度の圧力をかける場合に痛みが発生します。
感染症
術後の感染症は、慢性疼痛の重大な原因の一つです。
感染症は、人工関節周囲の炎症を引き起こし、痛みをもたらします。
感染症のリスクは手術後3ヶ月以内の間が最も高まりますが、遅発性感染症として数年後に発生することもあります。
神経損傷
手術中に神経が損傷されることがあります。
これにより、術後の慢性疼痛やしびれ、感覚異常が生じることがあります。
神経損傷による痛みは、しばしば難治性であり、長期間続くことがあります。
慢性疼痛の管理方法
リハビリテーション
適切なリハビリテーションは、術後の慢性疼痛を管理するための重要な手段です。
理学療法士の指導のもとで行うリハビリテーションは、股関節の可動域を改善し、筋力を強化することで、痛みの軽減に寄与します。
薬物療法
慢性疼痛の管理には、薬物療法が有効です。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、鎮痛剤、さらには神経因性疼痛に対する薬剤(プレガバリン、トラムセット等)などが使用されます。
また、慢性疼痛に対してはサインバルタなどが使用されることがあります。
適切な薬物療法を行うことで、痛みの軽減が期待できます。
注射療法
場合によっては、ステロイド注射や局所麻酔剤の注射が行われることがあります。
これらの注射は、炎症を軽減し、短期間で痛みを緩和する効果があります。
人工股関節再置換術
人工関節の配置が不適切な場合や摩耗が原因で痛みが続く場合、再手術が必要となることがあります。
再手術によって人工関節の設置を修正することで、痛みを軽減することが可能です。
精神的サポート
慢性疼痛は、精神的なストレスや不安を引き起こすことがあります。
心理的なサポートやカウンセリングを受けることで、患者さんの精神的な健康を保つことが重要です。
痛みの管理には、心身の両面からのアプローチが求められます。
まとめ
人工股関節置換術は、股関節の痛みや機能障害を軽減するための効果的な治療法です。
しかし、手術後に慢性疼痛が続くことがあり、その原因は多岐にわたります。
適切なリハビリテーション、薬物療法、注射療法、さらには再手術などを組み合わせることで、慢性疼痛の管理が可能です。
患者さん一人ひとりに合った治療計画を立てることが、痛みの軽減と生活の質の向上に繋がります。
慢性疼痛の治療は難渋する事が多いため、長い目で見て治療を継続していくことが重要です。
人工股関節置換術を考えている方や、術後の痛みでお困りの方は、専門医と相談し、最適な治療法を見つけることが大切です。
なにか困ったら専門医に相談しましょう!
今日も参考になりましたでしょうか?
では、また今度~♪
術後の慢性疼痛は難治性のため、色々な治療をトライしてみるのが重要です!
「これは私の~~!!」
そのうち1万円は福沢諭吉だったことを忘れそうな気がする整形外科医の塗山正宏でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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