股関節300 人工股関節置換術とスキー

スキー 股関節

おはようございます!
ラジオをすっかり聞かなくなってしまった塗山です。
オールナイトニッポンを聞いていたのが懐かしい!笑






今回のテーマは、

人工股関節置換術とスキーについてです。





塗山先生
塗山先生

スキーは好きですか?

ようこさん
ようこさん

え?それダジャレですか?

塗山先生
塗山先生

ダジャレを言うのは誰じゃ?

こんにちは、股関節についての話に興味津々な皆様!お待たせいたしました!

整形外科医の塗山正宏です。

今回のテーマは「人工股関節置換術とスキー」です。

人工股関節置換術を受けた患者さんの中には、再びスキーを楽しみたいと考えている方も多いでしょう。

今回は、術後のリハビリやスキー復帰のタイミング、そして安全にスキーを楽しむためのポイントについてお話しします。


人工股関節置換術とは?

人工股関節置換術(THA: Total Hip Arthroplasty)は、股関節の損傷した部分を人工の関節に置き換える手術です。

主に変形性股関節症や特発性大腿骨頭壊死、関節リウマチなどの疾患による痛みや、股関節の可動域の制限を改善するために行われます。

この手術により、股関節の痛みが軽減され、日常生活での動作が大幅に改善されることが期待されますが、術後のリハビリについて理解しておくことが重要です。


術後のリハビリとスキー復帰のタイミング

人工股関節置換術後のリハビリは、回復のための重要な鍵となります。通常、術直後からリハビリが開始され、数か月にわたり段階的に強度を上げていきます。スキーのような高強度のスポーツに復帰するためには、慎重なステップを踏む必要があります。スキーに復帰する時期としては股関節の状態がかなり安定する術後6か月以降が良いでしょう。

  • 術後3か月以内: この期間は、股関節の安定性を確保するために、激しい運動は避け、関節周囲の筋力を強化するリハビリを中心に行います。歩行訓練や、軽いストレッチが主になります。

  • 術後3か月から6か月: 徐々に運動強度を上げ、バランス感覚や柔軟性を向上させるトレーニングを行います。この期間中に、股関節の動きがスムーズになるとともに、股関節の安定性が向上し、股関節周囲の筋肉の痛みも出にくくなっていくことが期待されます。

  • 術後6か月以降: 術後6か月を経過し、医師の許可が得られれば、スキー活動を再開することが可能です。ただし、激しい動きを伴う競技的なスキーよりも、まずはゆるやかな斜面での滑走から始め、体力と股関節の状態を確認しながら徐々にレベルを上げていくことが大切です。


スキー復帰時の注意点

人工股関節置換術後にスキーを楽しむためには、いくつかの注意点を守ることが重要です。

1. 自己の限界を理解する

手術後の体は、元の状態とは異なります。

無理をして再び股関節を痛めないよう、自分の身体の限界を理解し、その範囲内でスキーを楽しむことが大切です。

特に、初めての滑走では過信せずに、ゆっくりとしたペースで滑るよう心がけましょう。

2. 適切な装備の使用

スキーを行う際には、適切な装備を選ぶことが重要です。

股関節に負担をかけないよう、以下のポイントに注意してください。

  • スキー板: 軽量で安定性の高いスキー板を選びましょう。カービングスキーのようにターンがしやすい板は、股関節への負担を軽減します。

  • ブーツ: 足首や膝をしっかりと支え、股関節への衝撃を和らげる適切なサイズのブーツを選ぶことが大切です。ブーツがしっかりフィットしていることを確認しましょう。

  • プロテクター: 股関節や腰部を保護するためのプロテクターの使用も検討してください。万が一の転倒時に衝撃を緩和する役割を果たします。


3. 転倒のリスクを最小限に抑える

転倒は、人工股関節置換術後に最も避けたい事態の一つです。

転倒すると、人工股関節の脱臼や、人工股関節の周囲で骨折を起こすリスクがあるので要注意です。

転倒を防ぐために、以下のことを心がけましょう。

  • 技術の見直し: 術前と同じ感覚で滑ることが難しい場合があります。スキースクールで技術の見直しや、股関節に負担をかけない滑り方を学ぶのも良いでしょう。

  • 天候と雪質の確認: 悪天候や不安定な雪質の時には滑走を控えるのが賢明です。新雪やアイスバーンなどは特に注意が必要です。


術後の経過観察とフォローアップ

スキーを再開した後も、定期的に医師の診察を受けることが重要です。

股関節の状態を確認し、必要に応じて運動の強度や内容を調整することが重要です。

また、痛みや違和感があれば、すぐに医師に相談し、無理をしないようにしましょう。


まとめ

人工股関節置換術を受けたからといって、スキーを諦める必要はありません。

適切なリハビリと準備を経て、再び雪の上を滑ることは可能です。

しかし、無理をせず、徐々に復帰していくことが長くスキーを楽しむための鍵となります。

スキーに復帰するのは、股関節の状態がだいぶ安定する術後6か月以降がひとつの目安になるでしょう。

もちろん個々の状態によって変わりますので、主治医と相談していきましょう!

術後のスキー復帰について不安がある場合は、是非相談してみてください。

安全に快適にスキーを楽しめるよう、慎重にリハビリを継続していきましょう!


人工股関節置換術の術後にスキーに復帰するのは、股関節の状態がかなり安定してから!

スキー

「私をスキーに連れてって!」


スキーで転んで骨折したくない整形外科医の塗山正宏でした!



【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医

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