股関節310 人工股関節置換術と正座

正座 股関節

おはようございます!
右手でも左手でもお箸を使える塗山です!






今回のテーマは、

人工股関節置換術と正座についてです。




塗山先生
塗山先生

術後の正座について語ります。

しょうこさん
しょうこさん

もう最近正座できなくなってきたのよ…

あらためまして整形外科医の塗山正宏です。

人工股関節置換術(THA: Total Hip Arthroplasty)は、変形性股関節症や関節リウマチなどで変形した股関節を人工の関節に置き換える手術です。

この手術により、痛みの軽減と関節の可動域が改善され、日常生活の質が向上します。しかし、手術後に正座ができるかどうかについては、多くの患者さんから質問されます。

この記事では、人工股関節置換術後の正座について、手術後の生活で気をつけるべきポイントについて塗山がさらっと笑顔で詳しく解説していきます。


1. 人工股関節置換術とは?

人工股関節置換術は、変形した股関節を人工のインプラントで置き換える手術です。

人工股関節は、大腿骨側骨盤側のソケット部分から成り、それぞれ金属やセラミック、ポリエチレンなどの素材が使用されています。

この手術により、股関節の機能が回復し、痛みが軽減されます。

人工股関節



2. 人工股関節置換術後に正座は可能か?

正座は、股関節や膝に負荷がかかる動作です。

人工股関節置換術後、完全に正座が可能かどうかは患者さんのリハビリ進行度手術後の回復状態によって異なります。

手術後すぐに正座を行うことは股関節に負担がかかる可能性があるため、慎重に判断する必要があります。


3. 正座に挑戦するタイミングと方法

正座が可能かどうかは、手術後のリハビリ経過医師の指導によって異なります。

私が行っている人工股関節の手術の場合は、術後に正座を許可していますが、術後急性期は避けるのが無難です。

術後早期は股関節周囲の腫脹があるため、正座をすることによって創部周囲によって負荷がかかりすぎてしまう可能性があるためです。

また、病院によっても術後の正座についての方針がかわるため、担当医や理学療法士に確認することが重要です。

正座に挑戦する際の注意点:

  • 医師の許可を得る: 手術後の正座については、必ず主治医に相談し、許可を得ることが重要です。

  • リハビリ専門家の指導のもとで行う: 理学療法士と一緒に、正座の練習を段階的に行うことで、安全に進めることができます。

  • クッションを使用する: 正座をする際には、股関節や膝への負担を軽減するために、クッションや柔らかいマットを使用するとよいでしょう。


4. 正座ができない場合の代替動作

人工股関節置換術後、正座ができない場合でも、日常生活を快適に過ごすための代替動作があります。

無理に正座を行うのではなく、膝や股関節に負担をかけない動作を心がけましょう。

代替動作の例:

  • 椅子に座る: 床に座るのではなく、椅子を使用することで股関節にかかる負担を軽減できます。

  • 和式から洋式への切り替え: 和室での生活習慣がある場合は、洋式の椅子やテーブルを活用することで、関節への負担を減らすことができます。


5. 正座以外に注意すべき動作

人工股関節置換術後は、正座以外にも股関節に負担をかける動作を避ける必要があります。

特に以下の動作は、人工股関節の脱臼の可能性があるため、術後急性期は特に注意が必要です。

避けるべき動作:

  • 股関節を深く曲げる動作(例: 床に物を拾う、しゃがむ)
  • 股関節を大きく内側にねじる動作(例: 座って靴を履く際のねじり)

これらの動作を避けることで、人工股関節の脱臼リスクを軽減できます。


6. 正座を行いたい方へのアドバイス

正座を行いたいと希望する患者さんには、リハビリを丁寧に進めることが最も重要です。

股関節周囲の筋力を強化し、柔軟性を高めることが重要です。

ただし、無理をして脱臼を引き起こすリスクもあるため、慎重に取り組む必要があります。

正座を試みる際のステップ:

  1. ストレッチで柔軟性を高める: 股関節周囲の筋肉を伸ばすストレッチを行い、柔軟性を向上させます。

  2. 膝周りの筋力を強化する: 膝を支える筋力をリハビリで鍛えることで、正座時の安定性が向上します。

  3. リハビリの段階を踏む: 正座の姿勢を少しずつ練習し、痛みや違和感を感じない範囲で取り組みましょう。


まとめ

人工股関節置換術後の正座は、リハビリの進行具合によって異なりますが、無理をせず、正しい手順を踏んで取り組むことが重要です。

正座を行う際は、主治医や理学療法士と相談し、安全に進めましょう。

また、正座が難しい場合でも、代替動作を取り入れて日常生活を快適に過ごすことができます。

特に膝関節が悪い場合には、正座は膝関節に負担がかかるため避けるのが無難でしょう。

人工股関節置換術後の生活を豊かにするために、焦らず、自分のペースでリハビリを進めることが大切です。

無理は禁物ってことですよ!(^^)/



人工股関節の術後に正座は、股関節の回復の状態を見ながら行っていきましょう。

鍋

「熱々のキムチ鍋!!」


ふはふは言いながらあつあつ鍋を食べたい整形外科医の塗山正宏でした!



【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医

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