おはようございます!
痛みというものが世の中から無くなればいいのに!って思う平和主義の塗山です。
今回のテーマは、
変形性股関節症の疼痛の原因についてです。

変形性股関節症の痛みは色々あるんですよね。

そうなんですか!?
変形性股関節症の疼痛の原因を解明:痛みのメカニズムとその対策
うぃーっす!塗山でーす!
ノリが軽くてすいません笑。
では、はじめていきます。
変形性股関節症(Osteoarthritis of the Hip:OA)は、股関節の痛みと可動域の制限を引き起こす慢性疾患です。
この疾患による疼痛は、患者さんの日常生活の質を大きく低下させる原因となります。
しかし、痛みのメカニズムは単純ではなく、様々な要素が含まれます。
本記事では、変形性股関節症の疼痛の原因を解説し、痛みの緩和方法についても塗山が笑顔で触れていきます。
変形性股関節症の疼痛の特徴
1. 疼痛の部位
- 股関節そのもの
- 鼠径部(太ももの付け根)
- 腰部や大腿部や臀部
- 膝(関連痛)
- 脛やふくらはぎ
2. 疼痛の種類
- 動作時痛:歩行や階段の上り下りで悪化
- 安静時痛:座っているときや寝ている間にも感じる
- 朝のこわばり:長時間の休息後に股関節が硬くなる
これらの症状は、疾患の進行度や患者さん個々の状態によって異なります。
変形性股関節症の疼痛の主な原因
1. 関節軟骨の摩耗
変形性股関節症の初期段階では、関節軟骨が徐々に摩耗します。この摩耗により、関節内での摩擦が増加し、痛みが生じます。
- 軟骨の減少により、骨同士が直接接触する。
- 関節内の滑液(潤滑液)の量が減少し、摩擦がさらに悪化。
2. 骨変形と骨棘形成
軟骨が摩耗し劣化すると、骨が再生を試みる過程で骨棘(こつきょく)が形成されます。これにより以下の問題が生じます。
- 神経の圧迫
- 関節の正常な動きを妨げる(関節可動域の制限)
3. 関節包や靭帯の炎症
軟骨の摩耗や骨棘の形成は、関節包や周囲の靭帯に炎症を引き起こします。この炎症が神経終末を刺激し、痛みを誘発します。
4. 筋肉の負担増加
股関節の動きを補完するため、周囲の筋肉(腸腰筋、大腿四頭筋、臀筋など)が過剰に働きます。この過剰負担が筋肉痛や張り感を引き起こします。
5. 神経因性の要因
慢性的な痛みは、神経系に変化をもたらし、痛みを持続させる原因となります。これは中枢感作と呼ばれる現象です。
6. 心理的要因
痛みの感じ方には心理的要因も関与します。不安や抑うつが強い場合、疼痛の感受性が高まることが知られています。
疼痛の緩和方法と治療アプローチ
1. 保存療法
- 薬物療法: 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や鎮痛薬が疼痛を軽減。
- 物理療法: 温熱療法やストレッチングで筋肉の緊張を緩和。
- 運動療法: 股関節周囲の筋力を強化するリハビリテーション。
2. 関節内注射
- ヒアルロン酸注射: 関節内の潤滑性を高め、摩擦を軽減。
- ステロイド注射やPRP注射: 急性炎症を抑制。
3. 外科的治療
- 骨切り術: 骨の形状を修正し、負担を軽減。
- 人工股関節置換術: 痛みの根本原因を解消。
文献から見る疼痛の原因と治療
国内研究
- 山田ら(2021年): 「変形性股関節症における疼痛のメカニズム」(日本整形外科学会誌)
- 骨棘と神経の圧迫が主要因であることを示唆。
- 筋肉の緊張が二次的な痛みを引き起こす可能性を指摘。
海外研究
- Felson et al. (2020): “Osteoarthritis pain mechanisms: A review” (Arthritis & Rheumatology)
- 炎症と神経因性疼痛が相互作用している。
- 中枢感作が慢性疼痛の重要な因子として挙げられる。
まとめ
変形性股関節症の疼痛は、軟骨の摩耗、骨の変形、炎症、筋肉の過負荷、さらには心理的要因が複雑に絡み合った結果として生じます。
痛みの原因はひとつというよりは、様々な要因が複合的に起きているのです。
適切な診断と治療が、痛みの軽減と生活の質の向上に繋がります。
私は、最新の診断技術と個別化された治療計画を提供し、患者さんの生活をより快適にするお手伝いをしています。
股関節の痛みでお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
変形性股関節症の痛みは様々な要因で起きている。

「いやいや押さないで!!」
いつか1万個以上ドミノを並べてみたいドミノ好きの整形外科医の塗山でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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