おはようございます!
最近の夏の猛暑は本当に暑いと感じる塗山正宏です。
子供の頃はこんなに暑くなることってなかった気がしますよね。
今日のテーマは、
人工股関節置換術と抗菌薬についてです。
一般の方々には、抗菌薬という言葉はあまり聞きなれない言葉かもしれません。
抗生剤や抗生物質のほうがよく耳にする言葉かと思います。
人工股関節置換術の合併症の一つに術後感染症があります。
以前の記事でも触れたことがありますが、人工股関節や人工膝関節に感染症が起きると治療に難渋するのです。
簡単には治りません・・・涙。
そのため、感染症を起こさないように予防することが非常に大切になります。
術後感染症の予防に非常に有効なひとつの手段が、抗菌薬の投与です。
抗菌薬とは、細菌の増殖を抑制したり殺したりする働きのある薬です。
手術前後で抗菌薬を投与することによって、人工股関節や人工膝関節の術後感染症を予防することが出来ます。
手術前後で抗菌薬を投与することがガイドラインでも推奨されています。
抗菌薬の投与期間についてはまだ結論が出ていませんが、最近はなるべく短くする傾向になってきています。
初回投与から24時間以内に終了する施設が増えているのではないかと思います。
初回投与から24~48時間投与するという施設もまだまだ多いと思います。
ひとつ言えるのは、抗菌薬の投与期間が長くなればなるほど、MRSAなどの耐性菌が発生する可能性が高くなるのです。
私自身は、10年以上前は術後3日間投与していましたが、10年前頃から初回投与から18時間で終了するようにしています。
投与期間を短くしたからといって、術後感染症の発生率は変化ありません。
この事からさらに投与時間を短くしてもいいのかもしれません。
使用する薬はなるべく最小限にすることが、医療経済にも優しいと思いますので。
手術における抗菌薬の使用は最低限にしましょう。
「上腕二頭筋は男の象徴!」
スイーツは好きだけど、杏仁豆腐は好きではない整形外科医の塗山正宏でした。
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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