股関節324 人工股関節置換術とゴルフ

ゴルフ 股関節

おはようございます!
昔はゴルフを結構やっていた塗山です。
しばらくもうやってませんが…笑。





今回のテーマは、

人工股関節置換術とゴルフについてです。




塗山先生
塗山先生

みなさん、ゴルフやってますか?

こちょうさん
こちょうさん

ゴルフは好きなんです!

どーもー、整形外科医の塗山正宏でーす。

今日もホットな話題を始めていきますよ!

人工股関節置換術(Total Hip Arthroplasty: THA)は、変形性股関節症やその他の股関節の病気などによる痛みや機能障害を改善するための効果的な手術です。

術後のリハビリや日常生活への復帰は患者さんにとって重要なテーマですが、「ゴルフを再開したい」という希望を持つ患者さんも多いのではないでしょうか。

本記事では、人工股関節置換術後のゴルフ復帰について、注意点や推奨される方法などを塗山正宏が笑顔を交えながら解説します。


1. ゴルフが人工股関節に与える影響

ゴルフは、股関節を含む下肢の柔軟性や体幹の安定性が求められるスポーツです。

術後にゴルフを再開する際には、以下のポイントに注意が必要です。

① スイング動作と股関節への負担

ゴルフのスイングは、股関節に回旋力や剪断力がかかります。

特に、ドライバーショットのような強いスイングでは、人工関節に過度な負担がかかる可能性があります。

そのため、軽いスイングから始め、徐々に負荷を増やすことが推奨されます。

② 歩行距離と疲労

ゴルフコースでのプレーは通常18ホールで約6~7kmを歩きます。

股関節の安定性を保つ筋力が不足している場合、歩行が負担となり、疲労や痛みを引き起こすことがあります。


2. 術後にゴルフを再開するためのステップ

①術後のリハビリテーション

ゴルフ復帰に向けた準備として、術後リハビリが欠かせません。特に以下のリハビリを重点的に行うと良いでしょう:

  • 股関節周囲筋の強化:大臀筋、中臀筋、腸腰筋などを鍛える。
  • 体幹トレーニング:骨盤の安定性を向上させるためのコアエクササイズ。
  • 柔軟性の向上:ハムストリングスや内転筋のストレッチを行う。

② ゴルフ練習の開始時期

術後3~6か月以降、医師や理学療法士の許可を得た上で、練習を開始するのが一般的です。

以下の手順を参考にしてください:

  1. パターやアプローチショットから始める。
  2. 軽いスイングでショートアイアンを使用。
  3. フルスイングやドライバーショットは、筋力や柔軟性が十分回復してから行う。

③ 適切な器具の選択

人工関節への負担を軽減するため、軽量のクラブや柔らかいグリップを選ぶと良いでしょう。

また、靴もクッション性の高いものを選ぶことをお勧めします。



3. 術後ゴルフを行う際の注意点

① 脱臼のリスク

人工股関節置換術後の脱臼は、特に早期に注意が必要です。

深い前傾姿勢や過度の股関節回旋は避け、正しいフォームを心がけましょう。

②疲労や痛みがある場合の対応

術後の疲労や痛みは、人工関節に負担がかかっている可能性を示します。

無理をせず、必要に応じて医師に相談してください。

③ 医師と相談する重要性

ゴルフ再開前に、必ず主治医と相談してください。

個々の術後経過や人工関節の状態によって、再開のタイミングや注意点が異なるためです。


4. 関連文献

人工股関節置換術後のスポーツ活動に関する研究では、ゴルフは比較的安全なスポーツとされています。

  • Klein, G. R., Levine, B. R., Hozack, W. J., et al. (2007). Return to athletic activity after total hip arthroplasty: Consensus guidelines based on a survey of the Hip Society and American Association of Hip and Knee Surgeons. Journal of Arthroplasty, 22(2), 171-175.
    → 本研究では、人工股関節置換術後のゴルフ復帰は比較的安全であり、適切なリハビリを経た患者の多くが再開可能であると結論付けています。

  • Mont, M. A., Marker, D. R., Seyler, T. M., et al. (2009). High-impact sports after total hip arthroplasty. Journal of Arthroplasty, 24(6 Suppl), 112-117.
    → 高負荷スポーツと比較して、ゴルフのような低中負荷スポーツは人工関節への負担が少なく、適切な条件下で安全に行えると報告されています。


5. まとめ

人工股関節置換術を受けた患者さんがゴルフを再開することは可能です。

ただし、術後のリハビリをしっかり行い、股関節への負担を軽減する工夫が必要です。

医師と相談しながら、自分の体に合ったペースで再開することで、術後の生活をより豊かにすることができるでしょう。

というわけで、ゴルフは術後人工股関節の状態が安定した術後3か月以降に検討しましょうね。

毎回言いますが、無理は禁物ですからね!

股関節の状態がしっかり安定してからゴルフを楽しみましょう。

股関節をしっかり治して、ゴルフライフを満喫しましょう!

では、また!



人工股関節置換術の手術後にゴルフを再開するのは早くても術後3か月以降で!

ゴルフ

「池ポチャしそう!!」

あと数年したら本格的にゴルフをやりたいと思っている整形外科医の塗山正宏でした!




【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医

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