股関節333 変形性股関節症と寛骨臼形成不全

寛骨臼形成不全 股関節

おはようございます!
野菜と肉が主食の塗山正宏です。
今日は七夕ですよ!





今回のテーマは、

変形性股関節症と寛骨臼形成不全についてです。






塗山先生
塗山先生

寛骨臼形成不全って知ってますか?

ゆきこさん
ゆきこさん

なんとなく聞いた事はありますね…。

1.はじめに

整形外科医の塗山正宏が真剣に語りだす時間がやってまいりました。

それでは始めていきしょう~!

変形性股関節症は、中高年を中心に発症する股関節の変性疾患ですが、その原因の一つとして寛骨臼形成不全(Developmental Dysplasia of the Hip or Acetabular displasia)が関与することが知られています。

以前は臼蓋形成不全と呼ばれていましたが、現在は寛骨臼形成不全が正式な病名になっています。

特に日本人女性に多く見られる寛骨臼形成不全は、股関節の安定性を低下させ、将来的に変形性股関節症のリスクを高めます。

この記事では、寛骨臼形成不全と変形性股関節症の関係、診断法、治療法について塗山正宏が笑顔で解説します。



2.寛骨臼形成不全とは?

寛骨臼形成不全とは、寛骨臼(骨盤側の受け皿部分)の発育が不十分であり、大腿骨頭が適切に覆われていない状態を指します。

この結果、股関節の安定性が低下し、関節軟骨への負荷が増加します。

これが長期間続くと、関節軟骨が摩耗し、変形性股関節症へと進行する可能性があります。

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3.寛骨臼形成不全の主な原因

  • 遺伝的要因:家族内発症の傾向がある。
  • 出生時の影響:骨盤位(逆子)や狭い子宮内環境が影響。
  • 女性に多い:ホルモンの影響や骨盤形状の違いが関与。

    などが寛骨臼形成不全の主な原因として考えられています。


4.変形性股関節症の発症メカニズム

寛骨臼形成不全により、股関節の適合性が低下すると、関節軟骨に異常なストレスが加わり、次第に軟骨がすり減ります。

この結果、股関節の可動域が制限され、痛みや歩行困難が生じます。

主な症状

  • 股関節の痛み:初期は運動後の違和感程度だが、進行すると安静時痛も出現。
  • 可動域の制限:股関節の開排や回旋が制限される。
  • 跛行(はこう):左右の脚長差や疼痛により、歩き方が変化する。


5.診断方法

1. 画像診断

  • X線(レントゲン):寛骨臼の被覆率(CE角)、股関節の形態異常を評価。
  • MRI:軟骨や骨髄の状態を詳細に確認。
  • CTスキャン:3D画像で骨の形態を把握。

2. 臨床診断

  • FABERテスト(Patrickテスト):股関節の可動域と痛みを評価。
  • 跛行の有無の確認
  • 脚長差の確認



6.治療法

保存療法(初期~中期)

  • 運動療法:大腿四頭筋や中殿筋、腸腰筋の強化。
  • 体重管理:関節への負荷を減少。
  • 薬物療法:NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)やヒアルロン酸注射。
  • 装具療法:股関節サポーターの使用。

手術療法(進行期)

  • 骨切り術(寛骨臼回転骨切り術):大腿骨頭の被覆を改善させ、股関節の適合性を改善。
  • 人工股関節置換術(THA):重度の変形性股関節症に適応。



7.参考文献

  1. Clohisy, J. C., et al. “The Developmental Etiology and Pathogenesis of FAI Syndrome.” Journal of Bone and Joint Surgery, 2013.
  2. Ganz, R., et al. “Hip Preservation Surgery: Open and Arthroscopic Approaches.” Journal of the American Academy of Orthopaedic Surgeons, 2011.
  3. 日本整形外科学会. 「変形性股関節症診療ガイドライン 2020」.


8.まとめ

寛骨臼形成不全は、変形性股関節症の主要な原因の一つであり、早期発見・治療が重要です。

特に、股関節に違和感や痛みを感じた場合は、整形外科で専門医の診察を受けることを推奨します。

放置はしないでくださいね。

ダメですよ。

ダメですからね~!

参考になりましたでしょうか?

というわけで、じゃあまた!

塗山正宏でした~!


寛骨臼形成不全は変形性股関節症の主な原因になるので要注意です!

七夕まつり

「仙台の七夕祭り!!」



七夕になるとなにか特別な事をお願いしたくなる整形外科医の塗山正宏でした!

【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医

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