おはようございます!
何歳までご飯を美味しく食べれるのか気になる塗山です。
今回のテーマは、
変形性股関節症と脚長差についてです。

脚長差が出てくると歩きにくくなります…

脚長差は確かに困りますよね…
変形性股関節症と脚長差:その原因・影響・治療法とは?
こんにちは!整形外科専門医の塗山正宏です。
今回は「変形性股関節症と脚長差」というテーマで笑顔でお話ししていきますよ!
「足の長さが違う気がする」「歩くと身体が傾いていると言われた」という声を、変形性股関節症の患者さんからよく耳にします。
実は、脚長差(脚の長さの違い)は、変形性股関節症において非常に重要な問題であり、放置すると二次的な障害を引き起こすこともあります。
この記事では、変形性股関節症における脚長差の原因・症状・診断・治療方法について、医学的な知見とともに塗山がニヒルな笑顔で解説します。
1. 脚長差とは?
脚長差(leg length discrepancy:LLD)とは、左右の下肢の長さが異なる状態を指します。
わずかな差であれば問題にならないこともありますが、差が大きくなると歩行障害や慢性の腰痛、膝痛などを引き起こす原因となります。
2. 変形性股関節症における脚長差の原因
変形性股関節症では、以下のような要因で脚長差が生じます。
2-1. 関節軟骨の摩耗と骨変形
股関節の軟骨が摩耗し、関節裂隙が狭小化することで大腿骨頭が骨盤側に沈み込むような変化が起こり、結果として脚が短くなります(Resnick D,2002)。
2-2. 関節の拘縮(こうしゅく)
股関節が拘縮を起こすと、関節の可動域が狭まり、股関節が屈曲・内転・内旋位で固定されることで、見かけ上脚が短くなる「機能的脚長差」が生じます。
2-3. 手術後の影響
人工股関節置換術(THA)後に脚長差が残る場合もあります。手術では脚長差の修正も目指しますが、過矯正や不十分な矯正によって差が残ることがあります(Maloney WJ,2004)。
3. 脚長差による症状と影響
脚長差があると、身体全体のバランスが崩れ、以下のような問題が生じます。
- 歩行時のふらつき・跛行(はこう)
- 腰痛や骨盤の傾き
- 膝や足関節への二次的負担
- 長時間の歩行や立位が困難になる
4. 診断方法
脚長差の評価は以下の方法で行います。
- 視診・触診:骨盤の高さや脚の軸の偏りを確認
- 計測:ASIS(上前腸骨棘)から内果までの長さを測定
- X線検査:骨盤と下肢のアライメントや骨変形の程度を評価
- EOS画像診断:立位全身撮影で骨盤・股関節・膝・足関節までを正確に測定可能(施設により対応)
5. 治療方法と対応策
5-1. 保存療法
- 足底板(インソール)による脚長補正
→ 軽度(約1cm以内)の脚長差に有効です。 - 理学療法(リハビリ)
→ 筋力バランスの改善や姿勢の矯正によって、機能的脚長差を軽減します。
5-2. 手術療法
- 人工股関節置換術(THA)
→ 痛みの改善とともに、骨盤の傾きや脚長差の補正も目指します。術中に脚長を慎重に調整することで、術後の左右差を最小限に抑えることが可能です(Konyves A,2005)。
6. 参考文献
・Resnick D, Niwayama G. Diagnosis of Bone and Joint Disorders. Saunders; 2002.
・Maloney WJ, Keeney JA. Leg length discrepancy after total hip arthroplasty. J Arthroplasty. 2004.
・Konyves A, Bannister GC. The importance of leg length discrepancy after total hip arthroplasty. J Bone Joint Surg Br. 2005.
7. まとめ
変形性股関節症に伴う脚長差は、単に足の長さが違うというだけでなく、全身に影響する重要な問題です。
脚長差を放置すると、歩行能力の低下や二次的な関節障害を引き起こすことがあります。
違和感を感じたら、早めに整形外科を受診し、正確な診断と適切な対応を受けましょう。
放置はダメですからね!
塗山が許しませんよ!
自分の身体と真剣に向き合っていきましょうね!
では、また!!
変形性股関節症による脚長差を放置すると、身体の色々な部位に支障をきたすので要注意。

「シュークリームケーキ食べませんか?」
シュークリームは何個でも食べれる気がするスイーツ塗山でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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