おはようございます!
コロナの影響で、マスク生活になってから風邪をあまりひかなくなった塗山正宏です。
今回のテーマは、
特発性大腿骨頭壊死症の治療についてです。
今回は、特発性大腿骨頭壊死症の治療について触れてみたいと思います。
その前にまずは少しおさらいをしていきましょう。
股関節の病気で最も多いのが、変形性股関節症ですが、それ以外にも特発性大腿骨頭壊死症という病気があります。
特発性大腿骨頭壊死症とは、大腿骨の骨頭の骨組織が壊死し、関節が変形・破壊する病気であり、これらのうち原因がはっきりしないものを特発性大腿骨頭壊死症といいます。
特発性大腿骨頭壊死症は厚生労働省が指定する難病のひとつです。
難病ということは基本治らない病気です。
特発性大腿骨頭壊死症の原因としては、
などがあります。
日本全国における1年間の新規発生数は約2,000~3,000人です。
特発性大腿骨頭壊死症の好発年齢は、全体では30~50歳代が中心となります。
ステロイド関連に限ると30歳代が中心になります。
新規患者における男女比は、全体では1.2~2.1:1と報告されています。
ちなみに、特発性大腿骨頭壊死症の遺伝の関連性ですが、遺伝が関連しているという報告が一部ありますが、まだはっきりとしていません。
では、本題の特発性大腿骨頭壊死症の治療について触れていきましょう。
壊死範囲が狭く、予後が良い場合には保存療法の適応になります。
などの生活指導を行います。
しかし、大腿骨頭の壊死範囲が広く、骨が潰れていく危険性が高ければ手術の適応になります。
大腿骨頭の壊死の範囲によって
・骨切り手術
・人工股関節置換術
を選択して行います。
20歳~40歳までの若年者の場合には、人工関節の耐久性の問題がありますので基本的に骨切り手術を優先的に選択します。
骨切り手術でも、壊死の範囲によって、骨の切り方が変わります。
骨切り手術でも、「大腿骨頭弯曲内反骨切り手術」や「大腿骨頭前方回転骨切り手術」や「大腿骨頭後方回転骨切り手術」など、一言に骨切り手術と言っても色々あります。
大腿骨頭の壊死範囲が広い場合には骨切り手術の適応がないため、若年者でも人工股関節置換術を選択せざるを得ない場合もあります。
50歳以上であれば骨切り手術ではなく、人工股関節置換術を第一選択になるかと思います。
以上、簡単ではありますが、特発性大腿骨頭壊死症の治療についてお伝えしました!
特発性大腿骨頭壊死症による痛みが強くなれば手術が必要です!
「寝ぼけているライオン!」
ライオンは触ったことがない整形外科医の塗山正宏でした。
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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