膝関節152 人工膝関節置換術とX脚

X脚 膝関節

おはようございます!
若干O脚気味の塗山正宏です!
もっとO脚にならないように気をつけます!





今回のテーマは、

人工膝関節置換術とX脚についてです。




塗山先生
塗山先生

O脚の方が日本には多いのですが、反対にX脚の人もいます。

ゆうこさん
ゆうこさん

え、わたしX脚なんですけど?

こんにちは、整形外科医の塗山正宏です。

今回は「人工膝関節置換術」「X脚」についてお話ししたいと思います。

このテーマは、膝関節に関する問題に悩む多くの患者さんにとって非常に重要なものです。

特にX脚は、膝の変形や痛みを引き起こしやすく、治療が必要な状態に進行することがよくあります。

寛骨臼形成不全がある方はX脚になっていることが多くなります。

この記事では、人工膝関節置換術の基本とX脚について塗山正宏が笑顔で説明し、その治療方法と予防策についても触れていこうと思います。


人工膝関節置換術とは

人工膝関節置換術(Total Knee Arthroplasty: TKA)は、膝関節の変形や痛みを改善するための手術です。

主に変形性膝関節症や関節リウマチ、外傷後の膝関節の破壊などに対して行われます。

最近は関節リウマチの治療薬が進化した影響で、関節リウマチで関節の変形が進むケースは非常に減りました。

人工膝関節の手術では、損傷した膝関節表面を取り除き、金属やプラスチックで作られた人工関節に置き換えます。

これにより、膝関節の痛みが軽減され、膝関節の可動域が改善されます。


手術の適応

人工膝関節置換術の適応となるのは、以下のような症状が見られる患者さんです。

  • 重度の膝の痛み:日常生活に支障をきたすような膝関節の痛みが続いている。
  • 関節の変形:内反膝(O脚)や外反膝(X脚)などの変形性膝関節症。
  • 可動域の制限:膝関節の動きが制限され、歩行や階段の昇降が困難になっている場合。
  • 保存療法が無効: 薬物療法やリハビリテーションなどの保存的治療が効果を示さない場合。

手術のおおまかな流れ

  1. 術前評価: 患者さんの全身状態を評価し、手術のリスクを確認します。血液検査や心電図、X線検査、CT、MRI、骨密度検査などが行われます(病院によって検査内容が変わります)。
  2. 手術準備: 手術の前日に入院し、必要な準備を行います。手術室では全身麻酔をかけ、手術を行います。
  3. 膝関節の露出: 膝関節の皮膚切開を行い、膝関節を露出させます。
  4. 損傷した関節の除去: 損傷した軟骨や骨を取り除きます。
  5. 人工関節の設置: 金属やプラスチックで作られた人工関節を骨に設置し、固定します。
  6. 縫合: 切開部を縫合し、手術を終了します。
  7. リハビリテーション: 手術後はリハビリテーションを行い、膝関節の機能を回復させます。


X脚とは

X脚(外反膝)は、膝が内側に曲がり、足が外側に広がる状態を指します。

これは、膝関節の変形の一種であり、内反膝(O脚)とは逆の状態です。

X脚は、膝関節の外側に負荷がかかり、主に外側の関節軟骨の摩耗を促進します。

特に、膝の外側に過剰な圧力がかかり、痛みや炎症を引き起こすことが多いです。

原因

  1. 遺伝的要因: 家族に同様の変形がある場合、遺伝的な要因が関与している可能性があります。
  2. 外傷: 膝の外傷や手術後にX脚が発生することがあります。
  3. 関節リウマチ: 関節リウマチによる炎症が関節の変形を引き起こすことがあります。
  4. 骨の発育異常: 成長期における骨の発育異常が原因となることがあります。

症状

  1. 膝の痛み: 特に膝の外側に痛みが集中します。
  2. 膝関節の不安定感: 歩行中や立ち上がり時に膝関節が不安定になることがあります。
  3. 膝関節の変形の進行: 放置すると膝関節の変形が進行し、さらに症状が悪化します。また股関節にも影響が出ます。


人工膝関節置換術とX脚の治療

X脚が進行し、膝関節の痛みや機能障害が顕著になる場合、人工膝関節置換術が有効な治療法となります。

この手術により、膝関節のX脚変形を矯正し、膝関節の機能を回復させることができます。

手術の効果

  1. 痛みの軽減: 損傷した関節面を取り除き、人工関節に置き換えることで痛みが軽減します。
  2. 機能の改善: 膝関節の可動域が改善され、日常生活が楽になります。
  3. 変形の矯正: X脚の変形が矯正され、歩行時のバランスが改善します。

術後のリハビリテーション

手術後のリハビリテーションは非常に重要です。

リハビリを適切に行うことで、人工関節の機能を最大限に引き出し、早期の社会復帰を目指します。

具体的なリハビリ内容としては、以下のようなものがあります。

  • 可動域訓練: 膝関節の動きを改善するためのストレッチや運動。
  • 筋力強化訓練: 太ももの筋肉やハムストリングスの筋力を強化するための運動。
  • 歩行訓練: 正しい歩行パターンを身につけるための訓練。


予防と日常生活の注意点

X脚や変形性膝関節症を予防するためには、日常生活での注意が必要です。

以下に、いくつかのポイントを挙げます。

体重管理

肥満は膝関節に過剰な負担をかけ、変形のリスクを高めます。適正体重を維持することが重要です。

定期的な運動

適度な運動は筋力を維持し、膝関節の健康を保つのに役立ちます。ただし、過度な運動や膝関節に過度な負担をかける運動は避けましょう。

バランスの取れた食事

骨や関節の健康を保つために、カルシウムやビタミンD、タンパク質を含むバランスの取れた食事を心がけましょう。

適切な靴の選択

足に合った靴を選ぶことも重要です。特に膝関節に優しい靴を選ぶことで、膝関節にかかる負担を軽減できます。


まとめ

人工膝関節置換術とX脚について理解することで、これらの問題に対する適切な対策を講じることができます。

X脚は、膝関節に過剰な負担をかけ、変形や痛みを引き起こすため、早期の治療が重要です。

人工膝関節置換術は、重度の変形や痛みを改善し、日常生活の質を向上させる効果的な治療法です。

手術後のリハビリテーションも重要な要素であり、適切なリハビリを行うことで、早期の社会復帰が可能となります。

また、予防のための日常生活での注意点を守ることで、膝関節の健康を維持し、変形や痛みのリスクを低減することができます。

以上、人工膝関節置換術とX脚についてのお話でした。

少しでも参考になれば、塗山は喜びます!

では、まったねぇ~♪


X脚による痛みが悪化してくれば、人工膝関節置換術を検討したほうが良いでしょう!

麻婆豆腐

「麻婆豆腐、盛りすぎだって!!」


麻婆豆腐は辛いの好きだけど、辛すぎるのはお腹をくだしてしまう整形外科医の塗山正宏でした!


【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医

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