おはようございます!
この年になると怪我に敏感になってしまう塗山正宏です。
怪我すると治りが悪くなってますから…涙
今回のテーマは、
変形性膝関節症と膝蓋大腿関節症についてです。
膝蓋大腿関節症??なんですかそれ!?
っていう声が聞こえてきました。
変形性膝関節症と膝蓋大腿関節症は、膝の痛みや機能障害を引き起こす膝関節の疾患です。
膝蓋大腿関節は膝蓋骨と大腿骨の間の関節の事を言います。
今回は、変形性膝関節症のなかの膝蓋大腿関節症についての特徴、原因、診断、治療法について説明していきましょう。
変形性膝関節症と膝蓋大腿関節症
変形性膝関節症と膝蓋大腿関節症の特徴
変形性膝関節症は、膝関節の軟骨がすり減り、骨同士が直接接触することで痛みや変形が生じる疾患です。主に加齢や過度の使用によって発症し、内側型の変形性膝関節症が多く見られます。症状としては、歩行時や階段の昇降時に痛みを感じることが一般的です。
膝蓋大腿関節症は、膝蓋骨(ひざの皿)と大腿骨の間の関節に炎症が起こるもので、膝の前方の痛みが特徴です。特に階段の昇降時に痛みを感じます。
原因
膝蓋大腿関節症の原因は、加齢による軟骨の老化や、膝への長期間の過度な負荷が蓄積することにより、軟骨がすり減りやすくなり、骨の変形につながります。
また、膝蓋骨の脱臼によっても発症することがあります。膝蓋骨が本来あるべき場所から外側へずれると、ズレによる摩擦で軟骨がすり減ります。
その後、時間の経過と共に軟骨が摩耗し、膝蓋大腿関節症を発症します。
診断
診断には問診、触診のほか、X線検査、CT、MRI等が用いられます。
検査画像からは、骨の位置や変形、骨棘の発生部位、関節裂隙の狭小化を評価し、最終的な診断を下します。
治療法
治療法は保存療法が第一選択になり、運動療法や薬物療法が行われるのが一般的です。
関節の痛みが強ければ、膝関節の安静を保ちながら、温熱療法や薬物療法によって炎症を抑えて痛みを軽減します。
膝周囲の筋力トレーニングを行い、膝関節を支える筋肉を強化して膝関節を安定させます。
こうした保存的療法で効果がみられない場合は手術を選択します。
変形が進行している場合には人工膝関節置換術を行います。
予防と生活上の注意
膝の健康を維持するためには、適度な運動による筋力の維持、適正な体重の管理、膝への負担を減らすための日常生活での注意が必要です。
特に、膝蓋大腿関節症の場合は、内側広筋という太もも内側の筋肉の強化が効果的です。
内側広筋は膝蓋骨が外側に引っ張られないように抑える役目を持ちます。
また、歩く時の姿勢にも気をつけましょう。
サポーターを使用して膝関節の安定性を保ち、痛みをコントロールする方法もあります。
膝の痛みを抱える方は、自分自身で判断せずにまずは適切な診断を受けましょう。
適切な診断のもとに、治療を受けることをお勧めします。
専門家による適切な診断と治療計画が、症状の改善につながります。
放置しないで!!
膝蓋大腿関節症には、まずは保存療法を行いましょう!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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