おはようございます!
まだ膝の大きな怪我はしたことがない塗山です。
膝は大事にしていきたい!
今回のテーマは、
人工膝関節置換術と関節包離開についてです。
急に関節包離開って言われてもよくわかりませんよね??
人工膝関節置換術とは?
人工膝関節置換術は、変形性膝関節症や関節リウマチなどによる膝関節の痛みや機能障害を改善するために行われる手術です。
損傷した膝関節の表面を人工関節に置換し、痛みの軽減と関節の機能回復を目指します。
術後の関節包の離開とは?
人工膝関節置換術の手術を施行する際には、必ず膝関節の関節包を切開します。
逆に言うと膝関節の関節包を切開して、大腿骨や脛骨を露出させなければ人工関節を挿入する事ができません。
人工膝関節置換術の手術では、一度関節包を切開し、膝蓋骨を外側にずらした状態で大腿骨や脛骨を露出させます。
大腿骨や脛骨の変形した骨を切除し、人工膝関節を設置します。
人工膝関節を設置しおわったあとには、再度切開した関節包を縫合します。
必ず関節包は縫合糸を使ってしっかりと縫合します。
通常は術後に関節包が開いてしまう事はありませんが、術後合併症のひとつとしてまれに術後に関節包の離開が起きる場合があります。
関節包の離開の原因
関節包の離開が起きる原因としては・・・
1.関節包の縫合処置を行ったが、縫合の強度が不十分であった可能性
2.膝関節を強い力で曲げた事により、縫合糸が強度に耐え切れず切れてしまった可能性
などが考えられます。
関節包の離開が起きた時の対処方法
では、関節包が離開してしまうとどうなってしまうのでしょうか?
関節包が離開するとその部分から出血が起きますので、膝関節が腫れて皮下出血を認めます。
そして、腫れと共に痛みを伴います。
関節包の離開が疑われる場合にはMRIの検査が有用です。
どの部位がどれくらい離開しているかを評価する事が可能です。
では、どう対処すればいいのでしょうか?
もし、関節包の一部だけが離開しているのであれば、あまり心配はありません。
徐々に修復されていく可能性が高いと思われます。
しかし、切開した関節包の大部分が離開してしまった場合には、膝関節を屈曲した際に膝蓋骨が外側に脱臼してしまうリスクがあります。
また、上手く大腿四頭筋が機能しないために膝関節が不安定になってしまいます。
膝を伸ばす力が弱くなってしまい、歩行が不安定になります。
そのため、関節包の大部分が離開してしまった場合には再度縫合処置が必要になります。
というわけで、もし関節包の大部分が離開してしまった場合には、早期に再縫合手術を受けるようにしましょう!
放置しないようにしましょう。
放置あかーん!
もし術後に関節包が離開したら再縫合しなければいけない可能性があります!
「今日って会社に行く日だっけ?」
来世はどんな動物で生まれてくるのか楽しみにしている整形外科医の塗山正宏でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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