膝関節178 人工膝関節置換術と温泉

温泉 膝関節

おはようございます!
温泉に浸かって無の境地に浸りたい塗山です。




今回のテーマは、

人工膝関節置換術と温泉についてです。




塗山先生
塗山先生

温泉にゆっくりつかるのって良いですよね。

のりこさん
のりこさん

温泉、好きですよ~♨

皆様、お待ちかねの整形外科医の塗山がトークする時間がやってまいりました。

人工膝関節置換術(TKA:Total knee arthroplasty)は、変形性膝関節症や関節リウマチなどによる重度の膝関節痛を改善するための有効な手術です。

術後のリハビリや生活の質向上を目指して、温泉を活用したいと考える方も多いのではないでしょうか?

この記事では、人工膝関節置換術後に温泉を利用する際のメリットや注意点を整形外科医の塗山が笑顔詳しく解説します。


人工膝関節置換術後の温泉利用のメリット

  1. 温熱効果で血流促進
    • 温泉の温熱効果により、膝周囲の血流が促進され、痛みや筋肉のこわばりが和らぎます。リラックス効果も得られるため、ストレス軽減にも役立ちます。

  2. 浮力による膝の負担軽減
    • 温泉水の浮力により、膝関節への負担が軽減されます。これにより、膝を守りながらリハビリ運動が行いやすくなります。

  3. 水圧効果でむくみを軽減
    • 温泉の水圧が血流やリンパの流れを促し、術後に生じるむくみを軽減する効果が期待されます。

  4. ミネラル成分の恩恵
    • 硫黄泉や塩化物泉などの成分が、皮膚の健康を促進し、全身の代謝を整えるのに役立ちます。




温泉を利用する際の注意点

  1. 術後のタイミング
    • 手術直後の傷口が完全に治癒していない状態で温泉に入ると、感染症のリスクが高まります。通常、術後約2~3か月が経過し、主治医から許可を得てから温泉を利用しましょう。

  2. 過度な温熱刺激を避ける
    • 高温の湯や長時間の入浴は、人工関節周囲の組織に過剰な負担をかける可能性があります。38~40度の適温で10~15分程度の入浴が適切です。

  3. 滑りやすい場所に注意
    • 温泉施設は滑りやすい床や段差が多い場合があります。転倒すると人工関節に大きなダメージを与える可能性があるため、杖や手すりを活用して慎重に行動しましょう。

  4. 浮力を活かした運動の工夫
    • 温泉内での軽い屈伸運動や歩行運動はリハビリに効果的ですが、無理な動作は避けましょう。

  5. 体調管理を徹底
    • のぼせや脱水症状を防ぐため、入浴前後に十分な水分補給を行うことが大切です。




温泉療法を最大限に活用するためのポイント

  • 施設選び 温泉施設がバリアフリー対応であるか、医療的なサポート体制が整っているかを確認しましょう。

  • 温泉とリハビリの組み合わせ 温泉入浴後は筋肉が温まり、柔軟性が高まっているため、リハビリ運動を行う絶好のタイミングです。理学療法士と相談し、無理のない範囲で運動を取り入れると効果的です。


まとめ:人工膝関節置換術後に温泉を楽しむために

人工膝関節置換術後の温泉利用は、正しいタイミングと方法を守ることで、術後の回復を促し、生活の質を向上させる可能性があります。

ただし、個々の体調や症状に応じた配慮が必要です。

また、創部の状態が安定しており、歩行も安定している必要があります。

温泉では歩行が不安定な場合、転倒リスクが高まりますので要注意です。

温泉を利用する場合には、必ず主治医に相談し、安全に温泉を楽しむことを心がけましょう。

レッツ!温泉!



人工膝関節置換術に温泉に入るのは創部の状態が落ち着いてからにしましょう!

温泉たまご

「温泉たまご~♪」

温泉たまごをたまに食べたくなる卵好きの整形外科医の塗山正宏でした!



【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医

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