おはようございます!
プリンはプッチンしたい派の塗山です。
今回のテーマは、
変形性膝関節症の有病率についてです。

膝が痛い人って世の中にどれくらいいるんですか?

私も膝が痛い人のひとりです…
変形性膝関節症の有病率:日本と世界の状況を解説
どーもー!整形外科医の塗山ですよ!
みなさま、お待たせしすぎました。
変形性膝関節症(Osteoarthritis:OA)は、中高年層を中心に広がる関節疾患で、膝の痛みや機能障害の主な原因です。
この疾患の有病率は人口の高齢化に伴い増加しており、個人の生活の質(Quality of Life:QOL)や医療システムに与える影響が深刻化しています。
この記事では、変形性膝関節症の有病率について、日本と世界のデータを比較し、最近の研究を基に塗山が優しい笑顔で解説します。
変形性膝関節症の概要
変形性膝関節症は、膝関節における軟骨の劣化や骨の変形を特徴とする慢性疾患です。症状としては、以下が挙げられます:
- 膝の痛み
- 腫れやこわばり
- 関節の可動域の低下
- 歩行困難
重症化すると日常生活に大きな影響を及ぼし、人工膝関節置換術が必要になることがあります。
日本における変形性膝関節症の有病率
日本では高齢化社会が進む中で、変形性膝関節症の患者数が増加しています。
国内の統計データ
厚生労働省による「2019年国民健康・栄養調査」によれば、日本の60歳以上の約30%が変形性膝関節症を患っていると推定されています。特に女性に多く、男性の2倍近い有病率が報告されています。
また、厚生労働省の推計では、臨床診断を受けた患者数は約1000万人とされていますが、潜在的な患者数(症状が軽度で診断されていないケース)を含めると、その数は約2500万人に達すると考えられています。
世界における変形性膝関節症の有病率
グローバルなデータ
- 世界保健機関(WHO)の推計によると、50歳以上の約10%が変形性膝関節症を患っています。
- 「Global Burden of Disease Study 2019」では、変形性関節症が世界中で主要な障害原因の一つとして挙げられています。
地域別の特徴
- アジア地域: 日本を含むアジア諸国では、高齢化率の上昇に伴い有病率が高まっています。
- 欧米諸国: 肥満が変形性膝関節症の主要な危険因子とされており、肥満率の上昇が有病率増加の一因とされています。
変形性膝関節症の危険因子
変形性膝関節症の有病率を理解する上で、その危険因子を知ることは重要です。
主な危険因子
- 年齢: 高齢になるほど発症リスクが高まります。
- 性別: 女性はホルモンの影響でリスクが高いとされています。
- 肥満: 体重が膝関節に負担をかけ、進行を加速させます。
- 遺伝: 家族歴がある場合、リスクが増加します。
- 膝の外傷歴: 過去のけがや手術がリスクを高めます。
文献レビュー
国内の研究
- 伊藤ら(2020年): 「日本人における変形性膝関節症の有病率と危険因子」(日本整形外科学会誌)
- 結論: 日本では特に女性高齢者に有病率が高く、肥満が主要因である。
- データ: 60歳以上の女性の40%が何らかの症状を訴える。
海外の研究
- Zhang et al. (2022): “Global prevalence of knee osteoarthritis: A systematic review” (Lancet Rheumatology)
- 結論: 世界人口の12%が50歳までに膝関節症を経験する。
- データ: 特に中高所得国での有病率が急増。
まとめ
変形性膝関節症は、特に高齢者と女性で有病率が高い疾患です。
患者数の増加は社会的・経済的負担を増加させるため、早期予防と適切な治療が重要です。
実際外来をやっていても、年々膝が痛い人が増えている気がします。
というわけで、整形外科医塗山は、膝関節の診断および治療を提供していますよ(笑顔)。
変形性膝関節症の症状が気になる方は、ぜひご相談ください。
変形性膝関節症の患者数は高齢化に伴い年々増えている傾向あり。

「けん玉の球は赤のイメージ」
けん玉は苦手でほとんど球を入れた事がない整形外科医の塗山でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
コメント