膝関節205 変形性膝関節症と健康寿命

健康寿命 膝関節

おはようございます!
卵料理が好きな塗山です。




今回のテーマは、

変形性膝関節症と健康寿命についてです。




塗山先生
塗山先生

健康寿命って知ってます?

あゆみさん
あゆみさん

聞いた事はあるわ。




こんにちは~!!整形外科医の塗山正宏です。

今回は、変形性膝関節症と健康寿命の関係についてお話しします。

「最近、膝が痛くて歩くのがつらい…」

「年齢のせいだから仕方ない…」と諦めていませんか?

その“膝の痛み”、放っておくと要介護状態への第一歩になる可能性があります…。



1. 健康寿命とは?

「健康寿命」とは、介護を受けたり寝たきりにならず、自分の力で日常生活を送れる期間のことです。

日本人の平均寿命と健康寿命の差は以下の通り(2022年):

  • 男性:平均寿命 81.05歳 / 健康寿命 72.57歳(8.48年差)
  • 女性:平均寿命 87.09歳 / 健康寿命 75.45歳(11.64年差)

つまり、多くの人が人生の最後の10年前後を、何らかの支援が必要な状態で過ごしているのです。


2. 健康寿命を脅かす「変形性膝関節症」

変形性膝関節症になると、歩行や階段の上り下りが困難になり、次第に外出や運動の機会が減っていきます。

その結果…

  • 筋力が落ちる(特に太もも・体幹)
  • バランスが崩れやすくなる
  • 転倒・骨折のリスクが高まる
  • 認知症やうつのリスクも増加

つまり、膝の痛みを放っておくことが、全身の機能低下=フレイル(虚弱)への入り口となるのです。

🧾 参考文献
Yoshimura N, et al. Epidemiology of osteoarthritis of the knee in Japan. Mod Rheumatol. 2011.
Seichi A, et al. Locomotive syndrome in Japan. J Orthop Sci. 2012.




3. 膝が痛むと「活動しなくなる」→「老け込む」?

人間の身体は動かさないと急速に衰えます。

変形性膝関節症で歩行が減ると、「使わない筋肉」が急速に衰える(廃用性筋萎縮)のです。

特に高齢者ではそのスピードが速く、わずか1〜2週間の寝たきりで筋肉量は大きく減少します。



4. 変形性膝関節症を甘く見てはいけない3つの理由

  1. 自立した生活が送れなくなるリスクがある
  2. 介護が必要となる要因の一つである
  3. 進行すると人工膝関節置換術が必要になる場合も




5. 健康寿命を延ばすために今できること

✅ 1. 早期の診断と治療

「歳のせい」「まだ我慢できる」と放置せず、「整形外科を受診して画像診断(X線・MRI)」を受けましょう。

✅ 2. 運動療法と筋力強化

太ももの筋肉(大腿四頭筋)を中心とした膝に負担をかけない筋トレが効果的です。

痛みが強ければ理学療法士の指導のもとで安全に実施しましょう。

✅ 3. 膝に優しい活動の継続

ウォーキング、プールでの歩行、ノルディックウォーキングなどがおすすめです。

動かないこと」が一番の敵です。

✅ 4. 必要に応じて手術も選択肢

重症化した場合は人工膝関節置換術が有効です。

手術により痛みが改善し、再び歩けるようになった方も多数いらっしゃいます。

🧾 参考文献:
Skou ST, et al. Effectiveness of total knee replacement. N Engl J Med. 2015.




6. 実際の患者さんの声

ひろみさん
ひろみさん

膝が痛くて、買い物に行くのも億劫でした。でも、筋トレと体重管理を始めてから少しずつ楽になりました。今は週3回ウォーキングが楽しみです




7. まとめ:膝の健康が人生の質を決める

視点内容
健康寿命自立して生活できる期間。
平均寿命との差は約10年。
膝痛の影響活動量低下→筋力低下→転倒・要介護へ
対策早期受診、運動療法、体重管理、必要に応じた手術

変形性膝関節症は、単なる「膝の老化」ではありません。

人生後半の活動的な生活を左右する重要な要素です。

どうか膝の痛みを我慢せず、自分の未来の健康のために一歩踏み出してみてください。

以上、少しでも参考になっていれば幸いです!

とやまは少しでも健康寿命が長くなるように頑張りますよ。

みなさんも頑張りましょう~!

では、また!


膝の健康を長く保つようにして、健康寿命を少しでも伸ばしていきましょう!

花

「自然って良いですね!」

自然から貰えるパワーって凄いものがあると思っている整形外科医の塗山正宏でした!




【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医

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