おはようございます!
膝の怪我にはとても敏感な塗山です。
今回のテーマは、
人工膝関節置換術後の膝の腫れについてです。

術後の腫れって気になりますよね?

いつ頃まで腫れがあるのか気になるわ…
人工膝関節置換術後の腫れ(浮腫)について
うい~~~~っすl整形外科医の塗山正宏です!
人工膝関節置換術(Total Knee Arthroplasty:TKA)は、変形性膝関節症などで重度の関節痛に悩む方に対して、痛みの軽減と生活の質(QOL)の向上を目的に行われる手術です。
手術後、多くの患者さんが感じる症状のひとつが「膝の腫れ(浮腫)」です。
「いつになったら腫れが引くの?」「この腫れは正常なの?」という不安の声を多く聞きます。
この記事では、整形外科医塗山の立場から術後の腫れの原因・経過・対策を詳しく解説します。
1. なぜ人工膝関節置換術後に腫れが起こるのか?
人工膝関節置換術は、膝の関節面の骨や軟骨を削って人工関節を挿入する大きな手術です。
そのため、手術後には体の自然な炎症反応が起こり、組織に水分がたまりやすくなります。
以下のような複数の要因が、術後の腫れを引き起こします。
| 原因 | 内容 |
|---|---|
| 手術による組織損傷 | 皮膚、筋肉、関節包、血管が操作されるため、一時的な炎症と血管透過性の亢進が起こります。 |
| 血腫(けっしゅ)の形成 | 手術後の出血や滲出液が関節周囲に溜まり、腫れを助長します。 |
| 静脈・リンパの流れの低下 | 長時間の安静や炎症により、下肢の血流やリンパ流が一時的に滞ります。 |
| 筋力低下・運動不足 | 術後早期は活動量が減り、ふくらはぎの筋ポンプ作用が低下します。 |
2. 腫れのピークと経過
腫れの程度や持続期間には個人差がありますが、おおよその経過は次の通りです。
| 時期 | 腫れの状態 | 対応のポイント |
|---|---|---|
| 術後〜1週目 | 最も強い腫れ。膝関節全体が張って熱を帯びる。 | 安静・アイシング・弾性包帯による圧迫を中心に管理。 |
| 2〜4週目 | 徐々に腫れが軽減。膝の可動域訓練が進む時期。 | リハビリを継続しつつ、過負荷に注意。 |
| 1〜3ヶ月 | 腫れがかなり減少。軽度の浮腫が残ることも。 | 筋力トレーニングと日常生活動作を増やしていく。 |
| 3〜6ヶ月以降 | 大部分の腫れは消失。違和感が残ることもある。 | 長時間立つ・座る時は軽いストレッチを心がける。 |
一般的に、術後3ヶ月程度でかなりの腫れは改善しますが、膝に負担がかかったりすると6ヶ月程度まで腫れが出る場合があります。
3. 注意が必要な「異常な腫れ」
通常の腫れは自然経過で改善しますが、次のような症状を伴う場合は要注意です。
- 膝が急に強く腫れてきた
- 発熱を伴う
- 傷口からの浸出液が増えている
- 膝を動かすと強い痛みが出る
このような場合、感染(人工関節感染)や深部静脈血栓症の可能性があります。
異常を感じたら、自己判断せずにすぐに主治医に相談しましょう。
4. 腫れを軽減するためのセルフケア・対策
術後の腫れを和らげるには、日常生活の工夫が非常に重要です。
以下の方法を組み合わせて行うことで、より早い回復が期待できます。
| 方法 | 解説 |
|---|---|
| アイシング(冷却) | 手術部位を1回20分程度冷やすことで、炎症と腫れを抑制します。 |
| 脚を高くして休む | 寝るときに枕を足の下に入れ、心臓より高く保ちます。 |
| 弾性ストッキング・包帯 | 血流をサポートし、浮腫の悪化を防ぎます。 |
| ふくらはぎの運動 | 足首を動かす「足踏み運動」などで血流を促進します。 |
| 過度な負荷を避ける | 長時間の立位・歩行は腫れを悪化させるため、少しずつ活動を増やします。 |
5. 参考文献
- Springer BD, et al. Perioperative complications in total knee arthroplasty. J Arthroplasty. 2014;29(12):2259–2264.
- Mizner RL, et al. Knee swelling and quadriceps strength following total knee arthroplasty. Phys Ther. 2005;85(6):556–564.
- 日本整形外科学会雑誌:「人工膝関節置換術後のリハビリテーションガイドライン」2022年版
これらの研究では、術後の浮腫は、筋力回復と血流改善によって徐々に軽減すると報告されています。
6. まとめ:腫れは「回復のサイン」でもある
人工膝関節置換術後の腫れは、身体が回復していく過程で自然に起こる現象です。
多くの方は3~6ヶ月程度で改善し、適切なケアを続けることでスムーズに回復していきます。
ただし、発熱や急激な腫れ、強い痛みを伴う場合は感染や血栓の可能性もあるため、早めの受診が大切です。
焦らず、医師や理学療法士と相談しながら、安全に回復へのステップを進めていきましょう。
以上、参考になりましたでしょうか!?
では、とやまは現場から去ります!
さらば!
人工膝関節置換術後はしばらく腫れが出るので要注意です!

「二郎系ラーメン!!はカロリーが半端ない!」
二郎ラーメンを食べるとしばらくご飯食べられなくなる整形外科医の塗山正宏でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医


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