膝関節26 変形性膝関節症の病期とPRP注射

PRP 膝関節

おはようございます。
今日も元気ハツラツで生きている塗山正宏です。


今回のテーマは、

変形性膝関節症の病期とPRP注射についてです。





変形性膝関節症には病期分類というものがありますが、

変形性膝関節症は変形の進行度合いにより5段階で分類されています。

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左から

Grade 0 :正常
GradeⅠ:関節裂隙狭小のないわずかの骨棘形成 , または軟骨下骨硬化
GradeⅡ:関節裂隙狭小(25% 以下)あるも骨変化なし
GradeⅢ:関節狭小(50%~75%)と骨棘形成 , 骨硬化像
GradeⅣ:骨変化が著しく,関節裂隙狭小(75% 以上)を伴う

と分類されています。

変形性膝関節症に対しての再生医療であるPRP注射ですが、どれくらいの膝の変形のレベルまで効果が期待できるのでしょうか?

今までの研究報告や私の経験値を考えると、GradeⅢまではある程度効果が期待できると思います。

しかし、GradeⅣになると関節軟骨が消失しており、変形が重度であるため効果があまり期待できないかもしれません。

ただし、GradeⅣでも一定数、効果が出る場合もありますが、鎮痛効果がずっと続くのは厳しいかと思います。

GradeⅣの状態だと膝関節の可動域制限やO脚が進んでいることが多いため、GradeⅣの場合はやはり人工膝関節全置換術を受けるのがいいでしょう。

もちろん人工膝関節全置換術をどうしても受けたくない場合には、一度PRP注射を試してみてもいいかもしれません。

最近は雑誌やテレビで再生医療について特集されることが増えたせいか、外来の患者さんでPRP注射を希望される人が増えています。

興味がある方は試してみてはどうでしょうか?

変形が重度になる前にPRPは打つべき

画像2

「膝が痛いって辛いなぁ・・・」


新幹線で寝過ごして結構焦ったことがある整形外科医の塗山正宏でした。





【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医

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