おはようございます。
人工関節の手術を専門として仕事している塗山正宏です。
今回のテーマは、
人工膝関節置換術の手術方法についてです。
人工股関節置換術の場合は、
手術方法に前方、前外側、側方、後方などのアプローチがあります。
一方で、人工膝関節置換術の場合は基本は前方になります。
膝の後方からアプローチして人工膝関節を挿入することはまずありません!
皮膚切開の位置は基本は正中からやや内側になりますが、外反膝(X脚)の場合は外側から皮膚を切開する場合もあります。
最近では、ひざまずき動作を獲得しやすくするために全例外側の皮膚を切開する場合もあります。
膝関節内にアプローチするための方法は、実際には数種類あります。
どこの筋肉をどのように切って、どのように膝の関節内にアプローチをするかです。
もちろんなるべく筋肉を切らずに手術を行ったほうが術後の回復が早くなります。
ただし、筋肉の温存にこだわりすぎて、人工関節の設置がおろそかになってしまっては本末転倒になります。
人工膝関節の手術では一時期MIS(最小侵襲手術)が流行りました。
しかし、温存にこだわりすぎて、人工膝関節の設置が悪くなるなどの欠点が出たこともあり、人工膝関節の世界においては、MISのブームは去っています。
もちろんMISの手術方法自体はメリットも色々ある手術方法ですので、臨機応変に手術方法を適用するのがベストだと考えます。
私は、なるべく筋肉の温存を心がけていますが、人工膝関節の設置を最重要視して、手術をするようにしています。
現場から以上です!
筋肉をなるべく温存したうえで、人工膝関節を適切な位置に設置するのがベスト!
ラーメンはなんだかんだで豚骨か鶏白湯が好きな整形外科医の塗山正宏でした。
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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