おはようございます。
とりあえず肉が好きな塗山正宏です。
今回のテーマは、
大腿骨頚部骨折の治療についてです。
高齢者の股関節の外傷、怪我のなかで圧倒的に多いのが大腿骨頚部骨折です。
特に70歳を超えると頻度が増えます。
大腿骨頚部骨折の治療は、基本的には外科的治療=手術が必要になることがほとんどです。
では、手術の方法としてはどんなものがあるのでしょうか?
骨折した部分のずれ(転位)が少ない場合には、金属のボルトやプレートなどを用いて骨接合術(骨折した部分を固定する手術)を行います。
骨折した部分のずれが大きい場合には、大腿骨の骨頭に栄養を送っている血管が損傷されている可能性があるため、骨接合術を行ったとしても、大腿骨頭壊死(骨が死んでしまう)が発生する可能性が高くなります。
そうなると再手術が必要になってしまいます。
そのため、骨折した部分のずれが大きい場合には、人工股関節置換術または人工骨頭置換術を行います。
日本整形外科学会が発行している大腿骨頚部骨折の診療ガイドラインでは、怪我する前の活動性の高い場合(杖なしで歩くことができる)には、人工股関節全置換術を選択し、活動性が低い場合には人工骨頭置換術を選択することを推奨しています。
私自身は、診療ガイドラインに沿い、患者さんの活動性に合わせて、手術方法を決定しています。
大腿骨頚部骨折は基本手術が必要になる!
なるべく靴下を履きたくない主義の整形外科医の塗山正宏でした。
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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