骨粗鬆症34 骨粗鬆症とオスタバロ

オスタバロ 骨粗鬆症

おはようございます!
いつまでも元気な身体を保って、元気に思いっきり笑って生きていきたい塗山正宏です!
うっひゃっひゃっひゃひゃ!




今日のテーマは、

骨粗鬆症とオスタバロについてです。




今日は骨粗鬆症の新しい注射薬の「オスタバロ」について紹介したいと思います。



オスタバロの特徴

オスタバロは、ヒト副甲状腺ホルモン関連蛋白質(hPTHrP)のN末端から34個のアミノ酸配列の一部を改変して創薬したhPTHrP(1-34)アナログ製剤です。

hPTHrPは、胎児期において骨形成を促進する役割を果たすホルモンです。オスタバロは、hPTHrPと同じように、骨に存在する副甲状腺ホルモン受容体(PTH/PTHrP受容体)のRG型に選択的に作用し、骨形成を刺激します。

しかし、オスタバロはhPTHrPよりも受容体への結合力が強く、また受容体からの離脱速度が速いという特徴があります。

これにより、オスタバロは、骨形成細胞(骨芽細胞)の受容体に選択的に作用し、骨吸収細胞(破骨細胞)の活性化を抑制することができます。

つまり、オスタバロは、骨吸収よりも骨形成を優先的に促進することで、骨量を増加させることができます。


オスタバロの効果

オスタバロの効果は、国内外で行われた臨床試験で確認されています。 国内では、「骨折の危険性の高い閉経後女性」を対象とした第III相試験(ACTIVE-J試験)が実施されました 。 この試験では、オスタバロ群とプラセボ群(偽薬)を比較した結果、以下のような効果が示されました。

  • 腰椎(腰の部分)の骨密度が、オスタバロ群でプラセボ群と比較して有意に高くなった(投与開始後18ヵ月時点での群間差は10.8%)。
  • 大腿骨近位部(太ももの付け根の部分)の骨密度が、オスタバロ群でプラセボ群と比較して有意に高くなった(投与開始後18ヵ月時点での群間差は4.3%)。
  • 新規椎体骨折(背骨の骨折)の発生率が、オスタバロ群でプラセボ群と比較して有意に低かった(投与開始後18ヵ月までの累積発生率はオスタバロ群で0.6%、プラセボ群で4.2%)。

国外では、「骨折の危険性の高い閉経後女性」を対象とした第III相試験(ACTIVE試験)とその延長試験が実施されました 。 この試験では、オスタバロ群とプラセボ群を比較した結果、以下のような効果が示されました。

  • 腰椎と大腿骨近位部の骨密度が、オスタバロ群でプラセボ群と比較して有意に高くなった(投与開始後18ヵ月時点での群間差は腰椎で13.3%、大腿骨近位部で6.4%)。
  • 新規椎体骨折と非椎体骨折(背骨以外の骨折)の発生率が、オスタバロ群でプラセボ群と比較して有意に低かった(投与開始後18ヵ月までの累積発生率は新規椎体骨折でオスタバロ群で0.6%、プラセボ群で4.4%、非椎体骨折でオスタバロ群で2.7%、プラセボ群で4.7%)。
  • オスタバロ投与終了後にアレンドロネート(ビスホスホネート製剤)による継続治療を行った場合、新規椎体骨折と非椎体骨折の発生率が、プラセボ投与終了後にアレンドロネートによる治療を行った場合と比較して有意に低かった(投与開始前から投与開始後43ヵ月までの累積発生率は新規椎体骨折でオスタバロ+アレンドロネート群で0.8%、プラセボ+アレンドロネート群で6.1%、非椎体骨折でオスタバロ+アレンドロネート群で6.3%、プラセボ+アレンドロネート群で9.7%)。

これらの臨床試験の結果から、オスタバロは、骨密度を高めるだけでなく、実際に骨折を予防する効果があることが示されています。

(TEIJINさんよりデータを拝借させていただきました)


オスタバロの副作用

オスタバロの副作用は、主に以下のようなものが報告されています。

・悪心

・めまい

・動悸

・高カルシウム血症/尿症

・アナフィラキシー(重大な副作用)

これらの副作用は、ほとんどが軽度で一過性のものであり、重篤な副作用は認められていません。

しかし、一部の患者さんでは、一時的に血圧が低下して起立性低血圧やめまい、動悸、頻脈、意識消失、転倒などが起こることがあります。

そのため、オスタバロを注射した後は、30分程度は安静にして無理をしないようにしてください。また、高カルシウム血症や尿症を引き起こすことがあるため、定期的に採血や尿検査をしてカルシウムの値をチェックする必要があります。

カルシウムの値が高くなると、腎臓や心臓に負担がかかり、腎結石や不整脈などの合併症を引き起こす可能性があります。

また、オスタバロに対するアレルギー反応(アナフィラキシー)が起こることもあります。アナフィラキシーは、呼吸困難や血圧低下などの重篤な症状を引き起こす可能性があるため、オスタバロを注射した後は自己観察をして、異常があればすぐに医師に連絡してください。アナフィラキシーが起こった場合は、オスタバロの使用を中止し、抗ヒスタミン剤やアドレナリンなどの対処を行います。

オスタバロは電動式注入器(オスタバロ®インジェクター)を用いて1日1回皮下投与し、18ヵ月まで治療可能な製剤です。

骨粗鬆症の治療には非常に有効な薬ですので、骨密度がかなり低下し、骨折リスクが高い場合には使用を検討しても良いでしょう。


骨粗鬆症の治療の選択肢としてオスタバロという注射薬があります!

馬

「歯茎見えすぎ!」

競走馬に乗ってみたいけど、怪我するのが怖いので結局は乗りたくない整形外科医の塗山正宏でした。



【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医

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