おはようございます!
毎日肉と野菜を食べ続けている塗山正宏です。
今回のテーマは、
骨粗鬆症とビスフォスフォネートについてです。
骨粗鬆症の代表的な薬に、ビスフォスフォネート(bisphosphonate)という薬があります。
ちょっと発音しづらいですよね笑
ビスフォスフォネート製剤!

3回連続で言ってもらっていいですか?笑
噛みそうですよね笑
「ビスフォスフォネート、ビスフォスフォネート、ビスファスファ・・・」
本題に戻ります!
ビスフォスフォネート系薬剤は、骨吸収抑制薬といって、「破骨細胞の活動を阻害し、骨の吸収を防ぐ薬剤」です。
このお薬の副作用の一つに顎骨壊死というものがあります。
その名の通り、あごの骨が壊死してしまう病気です。
怖そうな病気ですよね・・・涙.。
では、この顎骨壊死の発生頻度はどれくらいなのでしょうか?
経口投与では患者 10 万人年当たり発生率は 1.04∼69 人
静注投与では患者 10 万人年当たり発生率は 0∼90人とされている。
また、経口、静注を問わず窒素含有 BP 治療を受けている骨粗鬆症患者における 顎骨壊死発生率は 0.001∼0.01%であり、一般人口集団に見られる 顎骨壊死 発生頻度 0.001%とほぼ同様か、ごくわずかに高いと推定されている。
(骨吸収抑制薬関連顎骨壊死の病態と管理 :顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー 2016より引用)
データによりますと、実際の発生率はかなり低くなっています。
東京都の交通事故の発生率が0.58%(令和2年)というデータがありますので、顎骨壊死の発生率よりも交通事故に遭う確率の方が高いわけです。
一時期非常に顎骨壊死に対して敏感な時期もありました。
歯科治療をする際には、必ずビスフォスフォネート薬は休薬しなければいけないという話がありましたが、現在は必ず休薬する必要性はないと言われています。
顎骨壊死の副作用を心配して休薬するよりも、薬を継続することにより、骨折を予防する有益性のほうが高いと考えられています。
ただし、3年以上内服している場合や、顎骨壊死を起こすリスクが高い人は休薬を考慮する必要があります。
・口腔衛生状態の不良
・歯周病や歯周膿瘍などの炎症疾患の既往
・がん、腎透析、ヘモグロビン低値、糖尿病、肥満、骨パジェット病
・薬物(ステロイド、シクロフォスファミド、エリスロポエチン、サリドマイドなど)
・喫煙
・飲酒
などが挙げられます。
とりあえず、そんなところでーす(満面の笑顔)。
歯科治療を行う際には必ずビスフォスフォネート製剤を中止するわけではない。

「いつかモルディブに行きたい!!」
親知らずを抜歯する際に途中で麻酔が切れて悶絶したことがある整形外科医の塗山正宏でした。
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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