格言 Season177

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― 人工関節手術後の回復は“ゆっくり”が正解

こんにちは!!整形外科医の塗山正宏ですYO!

人工股関節置換術や人工膝関節置換術を受けた患者さんから、

えりこさん
えりこさん

もっと早く良くなりたいです…

ごんぞうさん
ごんぞうさん

回復が遅い気がします

という声をよく聞きます。

そんなとき、私がお伝えしたい言葉があります。

塗山先生
塗山先生

昨日より1ミリ良くなれば、それは立派な前進です

回復とは、劇的な変化よりも、「小さな積み重ね」が最も大切なのです。


■ 回復は直線ではない

人工関節手術後の経過は、多くの患者さんが想像するよりも波があります。

  • ある日はよく歩ける
  • 別の日は腫れが強い
  • 痛みが出たり引いたりする

これは異常ではありません。むしろ正常です。

研究でも、術後3〜6か月にかけて緩やかに改善していくことが示されています。
(Bade MJ et al., J Orthop Sports Phys Ther, 2010)

つまり、焦る必要はありません。


■ “1ミリの改善”が未来を変える

リハビリは魔法ではありません。

しかし、継続することで確実に身体は応えてくれます。

  • 歩く距離が少し増えた
  • 階段が昨日より楽だった
  • 朝のこわばりが減った
  • 表情が明るくなった

それらはすべて「1ミリの前進」です。

ヘルスケアの世界では、小さな成功体験が自己効力感を高め、回復速度を上げることが知られています。
(Lorig KR et al., Med Care, 1989)

だからこそ、“できたこと”に目を向けましょう。


■ 比べる相手は他人ではなく「昨日の自分」

同じ人工関節手術を受けても、回復スピードは人によって異なります。

  • 年齢
  • 術前の筋力
  • 痛みの期間
  • 持病の有無
  • リハビリの頻度

誰一人として同じ回復曲線はありません!

他人と比べる必要はありません。

だからこそ大切なのは、

「昨日より1ミリ良くなったか」

それだけです。


■ リハビリ継続のコツ

小さな前進を積み上げるために、以下をおすすめしています。

① 記録をつける

歩数、階段の段数、痛みの程度など。

② できたことに○をつける

「今日は転ばずに歩けた」など、小さな成功を見える化。

③ 無理はしない

痛みは身体のブレーキ。休む勇気も重要です。

④ 喜びを共有する

家族・理学療法士・医療者と達成を分かち合う。

努力は、可視化すると続きやすくなります。


■ 最後に ― 回復は“足し算”

人工関節手術は、痛みから解放されるための大きな一歩です。

しかし、元の生活を取り戻すのは、手術後のリハビリの積み重ねによって実現します。

だから私は患者さんにこう伝え続けます。

塗山先生
塗山先生

昨日より1ミリ良くなれば、それは立派な前進です。

1ミリが1センチになり、1センチが1メートルになり、やがて人生がまた前に進み始めます。

その道のりを、私は全力で支えますよ。

頑張っていきましょ!




【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医

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