おはようございます!
はやくそろそろ暖かくなってほしいと願う塗山正宏です。
今日のテーマは、
変形性膝関節症に人工膝関節全置換術は有用か?についてです。
今回は人工膝関節の手術が有用な手術かどうかの話ですよ!
集中して聞いてください!
集中!集中!
早速結論です。
変形性膝関節症の診療ガイドラインによりますと、
「人工膝関節全置換術(TKA)は、高齢者の内側及び外側に進行した変形性膝関節症症例には疼痛の軽減、ADL の改善に有効で、QOL の向上にも有用である。」
変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨がすり減って骨同士がぶつかり合うことで、痛みや変形、可動域の制限などを引き起こす病気です。変形性膝関節症は、加齢や肥満、過度な運動などによって発症しやすく、日本では約3000万人が罹患していると推定され年々増えています。
変形性膝関節症の治療法には、保存治療と手術治療があります。
保存治療とは、薬物療法や理学療法、注射療法などで、痛みを和らげたり、関節の機能を維持したりすることを目的としたものです。
手術治療とは、人工膝関節置換術や骨切り手術などで、関節の損傷部分を修復したり、置き換えたりすることを目的としたものです。
人工膝関節置換術とは、膝関節の傷んだ部分を切り取り、金属やセラミック、ポリエチレンなどでできた人工関節に入れ替える手術です。
人工膝関節置換術は、変形性膝関節症の治療法の中でも最終的な手段とされており、病気が進行して歩行が困難な場合などに検討されます。
人工膝関節置換術のメリットは、痛みを大幅に軽減できること、歩行機能の回復が期待できること、他の関節への負担を減らせることなどです。
人工膝関節置換術を受けた患者さんの多くは、手術後に痛みがなくなり、日常生活が改善されたと感じています。
では、人工膝関節置換術の術後の成績には何が影響するのでしょうか?
人工膝関節置換術の術後成績には術前のパラメータが影響すると考えられています。
術前に疼痛域値が低い場合には人工膝関節置換術後の痛みが強いことが報告されています。
変形性膝関節症の保存療法や放置例との比較では、人工膝関節置換術後は疼痛の改善度が大きく、機能改善での有用性が示されています。
また、術後のリハビテーションプロトコールに関しては、早期より積極的に荷重や関節運動を行う後療法と、低強度で荷重を漸増的に行う後療法では、術後の機能や疼痛に関する差は明らかにされていません。
一方で人工膝関節置換術にはデメリットの部分も少なからずあります。
人工膝関節置換術のデメリットは、手術に伴うリスクがあること、一定の行動制限が残ること、人工関節の緩みや破損の可能性があることなどです。
手術のリスクとしては、出血や感染、血栓などが挙げられます。一定の行動制限としては、正座などの膝を深く曲げる動作ができなくなることがあります。
人工関節の緩みや破損としては、人工関節が骨との間に隙間ができたり、部品が壊れたりすることがあります。これらの場合は、再手術が必要になることがあります。
人工膝関節置換術を行うタイミングは、患者さんの症状や希望によって異なります。
一般的には、保存的な治療法で症状が改善しない場合や、痛みや変形がひどくて日常生活に支障が出る場合に、手術を検討することが多いです。
人工膝関節置換術は、変形性膝関節症の治療法の中でも有効な方法ですが、必ずしもすべての患者さんに適した方法ではありません。手術のメリットとデメリットをよく理解し、信頼できる医師と相談して、自分に最適な治療法を選択することが大切です。
少しでも参考になれば幸いです!
では、また今度!
変形性膝関節症に人工膝関節置換術はADLの改善に有効な治療である!
「弁当はシンプルにから揚げ弁当!」
ひさしくから揚げ弁当は食べていない健康志向の整形外科医の塗山正宏でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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