股関節288 人工股関節置換術と術後の腫れ

術後の腫れ 股関節

おはようございます!
今日もエネルギッシュに過ごしていく予定の塗山正宏です。
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今回のテーマは、

人工股関節置換術と術後の腫れについてです。




塗山先生
塗山先生

今回は人工股関節の手術後の腫れのお話ですよ~♪


どーも、整形外科医の塗山正宏です。

本日は、人工股関節置換術(THA: Total Hip Arthroplasty)と術後の腫れについて改めて詳しくお話しします。

人工股関節置換術は、股関節の痛みや機能障害を改善するための有効な治療法ですが、術後の腫れは多くの患者さんが経験する術後の一般的な症状です。

このブログでは、腫れの原因、対処法、そして回復過程について詳しくご紹介します。


人工股関節置換術とは

人工股関節置換術は、損傷した股関節を人工の股関節に置き換える手術です。

簡単に言えば、損傷した股関節の骨を切除し、インプラントを挿入する手術です。

主に変形性股関節症などによって股関節の痛みを抱えている患者さんに対して行われます。

手術によって、股関節の痛みが軽減され、股関節の機能が回復します。

手術は通常、以下のような手順で行われます。

  1. 麻酔:通常は全身麻酔を用いて手術を行います。
  2. 手術部位の切開:股関節周囲の皮膚を切開し、変形した股関節にアプローチします。
  3. 関節の除去:損傷した骨と軟骨を取り除きます。
  4. 人工関節の挿入:金属やプラスチックで作られた人工股関節を挿入し、骨に固定します。
  5. 縫合と閉創:手術部位を縫合し、閉じます。


術後の腫れの原因

人工股関節置換術後に腫れが生じるのは、体が手術という外的侵襲に対して反応する自然な過程です。主な原因は以下の通りです。

  1. 外科的侵襲:手術中に組織が切開され、骨や軟骨が削られることで、身体が炎症反応を起こします。この炎症が腫れの主な原因です。

  2. リンパ液の貯留:手術によってリンパ管が一時的に遮断されることがあり、リンパ液が貯留して腫れを引き起こします。

  3. 血液の貯留:手術中に出血した血液が組織に貯留し、腫れを生じさせることがあります。

  4. 筋肉や軟部組織の損傷:手術に伴う筋肉や軟部組織の損傷も腫れを引き起こす要因となります。


術後の腫れの管理と対策

術後の腫れを管理し、快適な回復を促すためには、いくつかの対策が有効です。

1. 冷却療法

手術後数日間は、患部を冷やすことが腫れを軽減するのに効果的です。冷却パックを使用し、1回20分程度の冷却を1日数回行います。直接肌に当てないよう、タオルなどで包んで使用してください。

2. 圧迫療法

弾性包帯や圧迫ストッキングを使用することで、腫れを軽減できます。圧迫することで、リンパ液や血液の貯留を防ぎます。

3. 挙上

患部を心臓より高く挙げることで、重力を利用してリンパ液や血液の流れを促進し、腫れを軽減します。横になる際には、クッションなどを利用して足を高く保つようにしましょう。

4. 適度な運動

術後早期のリハビリテーションは、腫れを管理するために重要です。適度な運動を行うことで、血液循環が促進され、リンパ液の流れも改善されます。ただし、無理な運動は逆効果ですので、理学療法士の指導のもとで行うことが大切です。

5. 薬物療法

医師の指示に従い、抗炎症薬や鎮痛薬を使用することも腫れの軽減に有効です。必要に応じて処方された薬を適切に服用してください。


術後の回復過程

術後の腫れは、通常数週間から数ヶ月かけて徐々に改善していきます。回復の過程は以下のように進みます。

1. 術後1週間以内

術後すぐは腫れが最も強くなる時期です。冷却療法や圧迫療法を積極的に行い、安静を保ちながら適度な運動を行います。

2. 術後2〜4週間

この期間には、腫れが少しずつ引いてきます。リハビリテーションを続け、筋力の回復を図ります。痛みや腫れが強い場合は、活動量を抑え安静にしましょう。

3. 術後1〜3ヶ月

術後1か月を過ぎると、腫れはだいぶ引いていきます。3か月経過すると、股関節周囲の腫れはほとんど引いている状態です。股関節の機能を回復させていくために、理学療法士の指導のもとでリハビリを続けます。

4. 術後3ヶ月以降

ほとんどの患者様が、術後3ヶ月を過ぎる頃には日常生活に復帰できる状態になります。完全な回復には6ヶ月から1年程度かかることもありますが、個人差がありますので、焦らずにリハビリを続けることが重要です。

個人個人で股関節の状態は変わりますので、焦らない事がとても大事です!


まとめ

人工股関節置換術は、多くの患者さんにとって痛みから解放され、新たな生活を始めるための有効な手段です。

しかし、術後の腫れは自然な反応であり、適切な対策を講じることで快適な回復が可能です。

腫れを管理するためには、冷却療法、圧迫療法、挙上、適度な運動、薬物療法などの方法を組み合わせて行うことが重要です。

また、回復過程においては、医師や理学療法士の指導を仰ぎながら、無理のない範囲でリハビリを続けることが大切です。

私、塗山正宏は、患者さん一人ひとりの回復をサポートし、快適な日常生活を取り戻していただけるよう全力を尽くし続けていきます。

術後の腫れや回復過程について不安や疑問がある場合は、どうぞお気軽にご相談ください。



人工股関節の手術後の腫れの管理はリハビリを進めていくうえでとても大事!

いくら

「このいくらはいくら?」

お寿司のなかでも「いくら」は割と好きな整形外科医の塗山正宏でした!


【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医

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