おはようございます!
昔から腰痛に悩まされる事が多々ある塗山です。
今回のテーマは、
変形性股関節症と腰部脊柱管狭窄症についてです。
腰部脊柱管狭窄症はよくある病気ですよ。
去年、腰部脊柱管狭窄症と診断されたんじゃ…
変形性股関節症と腰部脊柱管狭窄症の関連性について
こんにちは、整形外科医の塗山正宏です。
今回は「変形性股関節症」と「腰部脊柱管狭窄症」という、2つの疾患がどのように関連しているのかについて解説します。
これらの疾患は、加齢とともに多くの方が経験する可能性があるもので、両者が同時に発生することも少なくありません。
それぞれの疾患が異なる部位に発生しますが、共通の症状や影響があるため、総合的な診断と治療が求められます。
1. 変形性股関節症とは?
変形性股関節症(Hip Osteoarthritis)は、股関節の軟骨が摩耗し、関節に痛みや炎症が生じる疾患です。
加齢や過剰な負荷、発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)などの要因によって、股関節の軟骨がすり減り、骨同士が直接接触するようになります。
これにより、股関節が変形し、股関節の痛みや可動域の制限が発生します。
主な症状:
- 歩行時や立ち上がり時の股関節の痛み
- 股関節のこわばりや可動域の制限
- 変形が進行すると、左右の脚長差が生じる
2. 腰部脊柱管狭窄症とは?
腰部脊柱管狭窄症(Lumbar Spinal Stenosis)は、脊柱管(脊髄が通る管)が加齢に伴って狭くなり、神経が圧迫されることによって生じる疾患です。
腰椎の変性や椎間板の膨隆、骨棘(こつきょく)形成などが原因で、脊柱管が狭くなり、下肢に痺れや痛みが現れることが特徴です。
歩行や立位で症状が悪化し、休息や前屈姿勢で緩和することが多いです。
主な症状:
- 腰痛や下肢のしびれ、痛み
- 長時間の歩行や立位で症状が悪化し、前屈姿勢で緩和される
- 進行すると、歩行困難や排尿障害を引き起こすこともある
3. 変形性股関節症と腰部脊柱管狭窄症の共通点と相互作用
変形性股関節症と腰部脊柱管狭窄症は、加齢に伴って発生することが多く、同時に発症することもあります。
これらの疾患は、互いに影響を及ぼすことがあり、症状の診断が難しくなることもあります。
以下は、両者の関連性と相互作用についてのポイントです。
共通する症状:
- 股関節痛と下肢の痛み:変形性股関節症では、股関節周囲、大腿部や臀部に痛みが生じます。腰部脊柱管狭窄症では腰痛に加えて下肢への痛みや痺れが発生します。これらの症状が重なると、どちらが主な原因であるかの診断が難しくなります。
- 歩行困難:股関節の可動域制限や神経圧迫による下肢の痛みによって、どちらの疾患でも歩行が困難になることがあります。股関節症による歩行困難が腰部に負担をかけ、腰部脊柱管狭窄症が悪化することもあります。
相互作用:
- 体のバランスと負荷の変化:変形性股関節症による股関節の変形や痛みは、歩行時の姿勢や体重のかけ方に影響を与えます。これにより、腰椎に異常な負荷がかかり、脊柱管狭窄症の症状が悪化する可能性があります。特に、股関節の変形によって体のバランスが崩れると、腰部や膝にかかる負荷が増大し、複数の関節や神経に影響を及ぼします。
- 診断の混乱:股関節や腰部、下肢に共通する症状があるため、変形性股関節症と腰部脊柱管狭窄症を同時に診断することが難しい場合があります。例えば、患者が下肢の痛みや痺れを訴える場合、それが股関節症によるものか、脊柱管狭窄症による神経症状なのかを区別する必要があります。
4. 診断と治療のアプローチ
診断のポイント:
- 詳細な問診と視診:患者さんが訴える痛みの場所や症状の特徴を詳細に把握します。痛みが股関節に由来しているのか、下肢全体に広がっているかなどを確認します。
- 画像診断:X線やMRIなどの画像検査が診断に有用です。変形性股関節症では関節の変形や軟骨の摩耗が、腰部脊柱管狭窄症では脊柱管の狭窄が確認されます。両方の疾患が同時に存在する場合、どちらが主な症状の原因かを判断するために画像検査が重要です。
治療の選択肢:
- 保存療法
- 両方の疾患に対して、まずは保存療法が選択されることが多いです。痛みを軽減し、日常生活の質を向上させるために、理学療法や薬物療法が行われます。
- 股関節や腰部のストレッチや筋力強化を通じて、関節や神経への負荷を減らし、症状の進行を抑えることが目指されます。
- 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や鎮痛剤を使用して痛みを管理します。
- 両方の疾患に対して、まずは保存療法が選択されることが多いです。痛みを軽減し、日常生活の質を向上させるために、理学療法や薬物療法が行われます。
- 手術療法
- 保存療法で改善が見られない場合、手術が検討されます。変形性股関節症では人工股関節置換術が、腰部脊柱管狭窄症では脊柱管を広げるための除圧手術が行われることがあります。
- 両方の疾患が同時に存在する場合、どちらの疾患を優先して治療すべきか慎重に検討する必要があります。症状の重さや患者の活動レベルに応じて治療方針が決定されます。
- 保存療法で改善が見られない場合、手術が検討されます。変形性股関節症では人工股関節置換術が、腰部脊柱管狭窄症では脊柱管を広げるための除圧手術が行われることがあります。
5. 日常生活でのケア
変形性股関節症と腰部脊柱管狭窄症の予防や進行を抑えるために、以下のポイントに注意することが重要です。
- 体重管理:過剰な体重は股関節や腰部に負担をかけるため、適切な体重を維持することが重要です。
- 姿勢の改善:正しい姿勢を保つことで、股関節や腰部への負荷を減らすことができます。特に長時間座る際には、腰のサポートに注意を払いましょう。
- 適度な運動:ウォーキングや水中運動などの低負荷な運動を継続的に行い、股関節や腰部の柔軟性と筋力を維持しましょう。
6. まとめ
変形性股関節症と腰部脊柱管狭窄症は、加齢とともに発生することが多く、互いに影響を及ぼし合うことがあります。
診断と治療においては、両者の症状を総合的に評価し、適切な対策を講じることが重要です。
日常生活でのケアや体のバランスを意識することで、これらの疾患の進行を遅らせ、より快適な生活を送ることが可能です。
というわけで、まずは症状の原因を検索したうえで、適切な治療法をたてていきましょう!
健康な身体を維持して人生を楽しみましょう~♪
変形性股関節症と腰部脊柱管狭窄症が合併する事がよくあるので注意が必要です!
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イチゴのショートケーキが一番好きかもしれないスイーツ塗山でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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