膝関節212 人工膝関節置換術後の膝の熱感

熱感 膝関節

おはようございます!
今日も無事に朝起きる事ができた塗山です。
死ぬときは寝たまま死にたいですね…汗。






今回のテーマは、

人工膝関節置換術後の膝の熱感についてです。






塗山先生
塗山先生

人工膝関節の術後はしばらく膝に熱感が出るのは知ってますか?

げんじさん
げんじさん

ちょっと何言ってるかわかりません。




人工膝関節置換術後の膝の熱感|炎症?感染?どこまでが正常か

こんにちは。

お待たせしました!整形外科医の塗山正宏の登場ですよ!

いや、待たせ過ぎたかもしれませんね!笑。

それでは始めていきます。

人工膝関節置換術(TKA:Total knee arthroplasty)を受けられた患者さんから、「術後の膝がずっと熱い感じがする」というご相談をよく受けます。

この「術後の熱感」は、術後の自然な経過の一部であることが多い一方で、まれに感染(人工関節周囲感染)の兆候であることもあります。

この記事では、「術後の熱感」が起こる理由と注意すべきポイント、いつ医師に相談すべきかについて、文献を交えて塗山がニヒルな笑顔でわかりやすく解説します。


🔥 術後の膝の熱感はなぜ起こる?

人工膝関節置換術では、皮膚・筋肉・骨を切開し、人工関節を設置するため、術後には自然な炎症反応が起こります

この炎症により、患部が熱っぽく、腫れて感じるのは通常の反応です。


✅ 通常の炎症反応の特徴:

  • 熱感(触ると暖かい)
  • 腫れ(浮腫)
  • 徐々に軽快(数週間~数ヶ月で改善)

📘【参考文献】
Smith TO, et al. Knee. 2008;15(4):286-290.
→ 術後3か月程度までは、熱感・腫脹・疼痛は術後反応としてよくみられる



🦠 注意が必要な「感染による熱感」とは?

ただし、まれに「人工関節周囲感染(PJI:Periprosthetic Joint Infection)」が原因のケースもあります。

感染による熱感は、自然経過の炎症と異なる特徴があります。

⚠️ 感染を疑うポイント

項目感染を示唆する所見
発熱37.5℃以上の持続的な発熱
膝の状態赤みが強く、激しい腫れや排膿がある
全身状態倦怠感、悪寒、CRP・白血球数の上昇
時期術後2週間以降で急激な悪化
傷口縫合部からの滲出液、創部の開き

📘【参考文献】
Tande AJ, Patel R. Clin Microbiol Rev. 2014;27(2):302–345.
→ 感染性の熱感は、「局所の症状と全身症状が一致することが多い」と指摘。



📅 術後経過ごとの熱感の目安

術後期間熱感の特徴対応の目安
〜2週間炎症性の熱感が強い通常経過。冷却・安静で軽減
2〜6週間徐々に軽快。触ると少し熱い日常生活レベルでOK
2か月〜3か月まだ熱感ありうるが、強くない徐々に落ち着けば問題なし
3か月以降熱感が増す・痛みが強くなる感染などの再評価が必要




🧊 自宅でできる対応

✅ 通常の術後炎症に対するケア

  • アイシング(冷却):1日2〜3回、15〜20分を目安に
  • 足の挙上:むくみや熱感の軽減に効果的
  • リハビリのバランス:過負荷にならないよう、運動後は休憩を




👨‍⚕️ 医師に相談すべきタイミング

以下のような症状がある場合は、すぐに整形外科を受診してください。

  • 膝が熱く、赤く腫れ、ズキズキと痛む
  • 発熱が続く(37.5℃以上)
  • 傷口から膿のような液体が出ている
  • 急に痛みが強くなってきた




💬 よくある質問(FAQ)

Q:術後3か月経っても膝に熱感がありますが大丈夫ですか?

→ 徐々に軽快していれば多くは正常範囲です。
ただし、熱感が増している・痛みが悪化している場合は感染を疑い、医師の診察が必要です。

Q:熱感があるときは運動を控えたほうがいいですか?

→ 強い熱感があるときは過負荷のサインかもしれません。運動を一時的に軽めに調整しましょう。




✍️ まとめ

人工膝関節置換術後の熱感は多くの場合、生理的な炎症反応です。

術後3か月程度までは、熱っぽさや腫れが残るのは正常で、術後半年頃まで熱感が出るのは珍しくありません。

ただし、創部周囲に感染兆候があれば早期受診が重要になります。

熱感に対しては自宅では冷却・足の挙上・運動の調整が必要です。

というわけで、人工膝関節置換術後の熱感は術後3~6か月程度は出ても、正常な反応ですのであまり心配は必要ありませんからね。

ただし、創部に異常がある場合には早めに病院を受診しましょうね!

以上、参考になりましたでしょうか!?

では、また!!



人工膝関節置換術後の熱感は多くの場合、生理的な反応ですので必要以上の心配は要りません!

「海鮮の宝箱やぁ~!」




たまに海鮮丼を食べて、幸せな気分を味わいたい整形外科医の塗山正宏でした!

【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医

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