おはようございます!
今日も大きな声で挨拶をしていきたい塗山です!
今回のテーマは、
変形性膝関節症と可動域制限についてです。

膝の可動域制限ありませんか?

最近膝が曲がらなくなってきたのよ…
変形性膝関節症と可動域制限|膝が曲がらない・伸びない原因と改善方法
1. はじめに
全国で11人の熱烈な塗山正宏ファンの皆様お待たせしました!
本日は膝のお話をしていきますね!(満面の笑顔)
変形性膝関節症は、中高年に多い関節疾患のひとつであり、膝の痛みや腫れ、関節の変形によって日常生活に大きな支障をきたします。
患者さんからよく相談を受ける症状のひとつが、「膝がしっかり伸びない」「正座ができない」「動きが硬い」といった可動域制限です。
膝関節の可動域が制限されると、単に動作が不便になるだけでなく、歩行バランスや姿勢に影響し、さらなる膝関節の負担・変形の進行につながることがあります。
今回は、整形外科医の立場から変形性膝関節症に伴う可動域制限の原因・影響・改善方法について、整形外科医の塗山正宏が微笑ましい表情で文献を交えて解説します。
2. 可動域制限とは?
関節の動きの範囲を「関節可動域」と呼びます。
膝関節の場合は、「伸展(まっすぐ伸ばす動き)と屈曲(曲げる動き)」が主な動きです。
- 膝関節の正常可動域:伸展 0°、屈曲 135〜150°程度
- 可動域制限があると、伸びきらない(屈曲拘縮)・曲がりきらない(屈曲制限)といった症状が出ます。
3. 変形性膝関節症で可動域が制限される原因
- 関節軟骨の摩耗と骨棘形成
軟骨がすり減り、骨と骨がぶつかることで動きが制限されます。骨棘(とげのような骨の変化)が関節の引っかかりを生じさせることもあります。 - 関節包や靱帯の拘縮
長期的な炎症や不動により、関節を包む関節包や靱帯が硬くなり、動きが制限されます。 - 筋力低下
特に大腿四頭筋の筋力低下は、膝の安定性を失わせ、可動域制限を助長します。 - 痛みによる防御性収縮
痛みを避けようとする無意識の防御反応により、膝を動かす範囲が狭くなります。
4. 可動域制限がもたらす影響
- 歩幅が狭くなり歩行速度が低下
- 階段昇降が困難
- 正座・しゃがみ動作ができなくなる
- 姿勢のバランスが崩れ、腰や股関節への負担増加
- 転倒リスクの上昇
可動域制限は膝だけの問題にとどまらず、全身の運動機能低下や生活の質(QOL)の低下につながるため、早期対応が重要です。
5. 改善方法とリハビリテーション
1. 物理療法
温熱療法やストレッチによって関節周囲の柔軟性を高め、可動域改善を図ります。
2. 関節可動域訓練(ROM訓練)
理学療法士の指導のもと、膝を少しずつ曲げ伸ばしする訓練を行います。
痛みが強くならない範囲で継続することが大切です。
膝が伸びない時に家庭でできる簡単ストレッチ集
| ストレッチ名 | 方法 | ポイント | 回数・時間 |
|---|---|---|---|
| タオルストレッチ | 座った姿勢で膝を伸ばし、足裏にタオルをかけて体の方へ軽く引く | 膝裏を伸ばす意識で、反動をつけずにゆっくり | 20〜30秒 × 3回 |
| 膝下枕ストレッチ | 仰向けで膝の下に丸めたタオルや枕を置き、膝を伸ばすように押し付ける | 太ももの筋肉(大腿四頭筋)を意識して押す | 5秒押し × 10回 |
| 椅子座りストレッチ | 椅子に浅く座り、片足を前に伸ばして膝をまっすぐにする | 背筋を伸ばし、足首を反らせると効果的 | 20〜30秒 × 3回 |
| ハムストリングス伸ばし | 床に座って片足を伸ばし、上体を前に倒す | 背中を丸めず、太ももの裏を伸ばす意識 | 20~30秒 × 3回 |
| 壁押しストレッチ | 仰向けでお尻を壁に近づけ、足を壁に沿って伸ばす | 無理のない範囲で膝をまっすぐ伸ばす | 20~30秒 × 3回 |
3. 筋力強化
特に大腿四頭筋・ハムストリングスの強化は膝の安定性と可動域改善に有効です。
- 椅子に座って膝を伸ばす運動
- タオルを膝裏に挟んで押し付ける運動
4. 生活動作の工夫
- 長時間同じ姿勢を避ける
- 和式生活より洋式生活(椅子・ベッドの使用)を選択
- 階段昇降や坂道は手すりを活用
5. 手術療法
保存療法で改善が乏しい場合は、関節鏡手術や最終的には人工膝関節置換術が選択されることもあります。
6. 文献での報告
- Sharma L, et al. Arthritis Rheum. 1998;41(7):1233-1240.
変形性膝関節症患者の膝の可動域制限は歩行機能の低下と強く関連。 - Lim BW, et al. Clin Biomech. 2011;26(9):895-901.
膝伸展制限は立位姿勢の安定性を損ない、転倒リスクを増加させる。 - Mizner RL, et al. J Orthop Sports Phys Ther. 2005;35(8):486-496.
術後リハビリにおいて可動域改善と筋力強化が膝機能回復に必須。
7. まとめ
それでは本日のまとめになります。
変形性膝関節症では軟骨の摩耗・靱帯の拘縮・筋力低下・ひざの痛みが重なり、可動域制限が生じます。
膝関節の可動域制限は歩行・階段動作・姿勢維持に影響し、転倒リスクやQOL低下につながります。
リハビリ(ストレッチ・筋力訓練・物理療法)や生活動作の工夫をすることが重要です。
可動域制限が重度の場合は外科的治療(人工膝関節置換術)を検討したほうが良いでしょう。
以上、参考になりましたでしょうか!?
少しでも参考になっていれば塗山は喜びます!
では、さらば!
ひざの変形が進むと可動域制限が出てくるので、ストレッチをしっかりやりましょう!

「ちょ、ちょい、やめろやっ!」
奈良と言ったら鹿のイメージしかない整形外科医の塗山正宏でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医


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