“Life is like riding a bicycle. To keep your balance you must keep moving.”
― アルベルト・アインシュタイン
「人生は自転車のようなものだ。バランスを取るためには、走り続けなければならない。」
アインシュタインのこの言葉は、物理学者らしいシンプルさと奥深さを兼ね備えています。
そして、これはまさに整形外科リハビリの本質を表していると私は感じます。
動き続けることが回復を導く
人工股関節置換術や人工膝関節置換術を受けた患者さんの中には、「動かすと痛いから休んでいたい」「安静にした方が早く治るのでは」と考える方も少なくありません。
しかし、実際には 「動かすこと」こそが回復の鍵 です。
股関節や膝関節は適度に動かすことで血流が改善し、筋肉や靱帯の柔軟性が保たれます。
動かさずにいると、関節は硬くなり、筋力も低下してしまうのです。
バランスを取るのは「小さな前進」
リハビリにおいて大切なのは、一気に大きな成果を求めることではありません。
自転車のバランスを取るように、少しずつでも前に進むことが重要です。
- 昨日は10分歩けなかったけど、今日は12分歩けた
- 階段を片手すりで昇れるようになった
- 杖の使用時間が減った
こうした 小さな前進の積み重ね が、最終的に大きなゴールにつながります。
医療現場で感じる「動き続けた人の強さ」
実際に、人工関節手術後の患者さんで「痛みがあっても、毎日少しずつ歩くことを続けた方」は、半年後に驚くほど安定した歩行を取り戻しているケースが多くあります。
逆に、痛みを恐れて動きを制限してしまった方は、関節が硬くなり、回復に時間がかかることがしばしばです。
アインシュタインの言葉どおり、バランスを取るには「動き続ける」ことが必要なのです。
まとめ
アインシュタインの格言「人生は自転車のようなものだ」はリハビリに通じる言葉ですよね。
手術後は少しでも動き続けることが、関節の回復と生活の質の向上につながります。
もちろん関節や筋肉の状況で安静にしなければいけない場合もありますので、臨機応変に対応していくことが重要です。
大きな変化よりも、小さな前進を重ねることが大切ですよ。
小さなことの積み重ねが「とんでもないところ」に至る唯一の道(Byイチロー氏)ですからね。
継続は力なり!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医


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