おはようございます!
人工関節の手術の事を考えるのが好きな塗山正宏です。
股関節関連の初回の投稿になります!
初回の今回のテーマは、
人工股関節全置換術(THA:Total hip arthroplasty)の手術アプローチについてです。
まず、人工股関節全置換術と言っても手術方法は色々あります。
一つだけではありません。
手術を行うための進入法(皮膚を切開する位置)が主に4つあります。
・前方(Direct Anterior Approach)
・前外側(Antero-Lateral Supine Approach、OCM、Mini-One)
・側方(Direct Lateral Approach)
・後方、後側方(Posterior Approach, PosteroLateral Approach)
4つの手術アプローチがありますが、それぞれ皮膚を切開する位置が変わります。
手術進入法の中でも出来るだけ身体に対する侵襲、ダメージが少ない手術方法を
最小侵襲手術 MIS(Minimally Invasive Surgery)と言います。
MISと一言でいっても当初は、皮膚切開が小さいだけの
最小皮膚切開手術(Minimally incision surgery)のことをMISと言っていました。
しかし、皮膚切開が小さいだけで皮膚の下では、従来と同じように筋肉や腱を切離してしまっていました。
それでは、従来の手術侵襲と大きく変わらなくなってしまいます。
一般的によく行われている通常の後方アプローチによる人工股関節全置換術は、最小皮膚切開手術になるかもしれませんが、最小侵襲手術ではありません。
現在は、皮膚切開が小さいだけではなく、さらなる低侵襲を目指し、筋肉、腱を切らずに筋肉の間から行う人工股関節全置換術をMISと言います。
人工股関節置換術を行っている病院のホームページなどに「当院はMISで人工股関節置換術を行っています」と記載があっても、実際は皮膚切開が小さいだけの後方アプローチの場合がありますので、どういうMISなのか患者さん自身でよく確認することが大事です。
私自身は殆どの患者さんに、本当の意味でのMISである「筋肉、腱を切らずに筋肉の間から行う人工股関節全置換術」を行っています。
また、今後も引き続き色々股関節の病気や手術について語っていきますので宜しくお願い致します。
人工股関節置換術の手術方法にも色々存在する!
ブログ作成に慣れるのにまだまだ時間がかかりそうな整形外科医の塗山正宏でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医