おはようございます!
中学3年生の時に柔道で左肩を脱臼したことがある塗山正宏です。
今回のテーマは、
人工股関節が脱臼してしまったら・・・についてです。
今日は人工股関節の脱臼について話していきますよ。
人工股関節置換術の術後の合併症として、特徴的な合併症として人工股関節の脱臼があります。
人工股関節の脱臼というのは、骨盤に入っているカップのなかから、骨頭ボールがはずれてしまうことです。
もし、不運にも脚を捻り過ぎたり、転倒したり、事故にあったりして、脱臼してしまうことがあるかもしれません。
脱臼すると激痛のため歩行困難になります。
そして、脚の長さは数センチ変わってしまいます。
痛みによって脚を動かせなくなります。
脱臼した場合には、自力で動く事が困難になりますので、とりあえず救急車を呼びましょう。
脱臼した人工股関節を整復する場合には、通常鎮静剤を使用しないと整復が困難です。
鎮静剤をあまり使わずに整復を行う先生もいるようですが、その場合は整復操作にかなりの激痛を伴います・・・。
無理な整復操作を行えば、人工股関節の周囲で骨折を起こすリスクがあるので避けたほうが良いでしょう。
そのため、脱臼の整復操作を行う場合には、基本的に鎮静剤を使用するほうがいいでしょう。
鎮静剤を点滴で使用して、鎮静がしっかりかかった状態(眠った状態)で、脚を引っ張って人工股関節の整復が出来ればそれで終了です。
しかし、運悪く人工股関節の整復ができなければ再手術によって整復をしなければなりません。
実際かなり整復が難しいケースもあったりします。
私個人の経験では、整復が出来なかった経験はまだありませんが、整復に難渋する場合はあったりします。
そして、人工股関節が整復されても、一度人工股関節が脱臼すると、しばらく脱臼を起こしやすい状態になりますので非常に注意が必要です。
脱臼後は3か月程度、再脱臼を予防するために股関節の装具を利用することによって再脱臼を予防しましょう。
万が一、脱臼を繰り返すようになり、反復性の人工股関節の脱臼になってしまった場合には再手術が必要です。
なるべくそれは避けたいですよね。
ただし、もし人工股関節の設置が悪いことによる脱臼であれば、再脱臼するリスクが高いので、その時には再置換術を検討すべきだと思います。
術後3か月は人工股関節の脱臼に気を付けて生活しましょう!
「あら、だいぶ肩が凝ってますね~」
いつも肩が凝っているので誰かに肩を揉んでほしい整形外科医の塗山正宏でした。
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
コメント
熱心な読者です。いつも大事な情報をありがとうございます。脱臼時の鎮静剤ですが、使わない医師の元へ運ばれてしまったらどうしたら良いでしょうか,,,
熱心に読んでいただきありがとうございます!
鎮静剤を使わない医師はあまりいないと思われますが、
万が一鎮静剤を使わないようであれば、医師に使ってくれるように頼むしかないと思われます。