おはようございます!
冬は寒いのでなるべく早く終わってほしいと思っている塗山正宏です。
寒いのはあまり得意ではないので…。
逆に暑いのも得意ではないですが…笑。
今回のテーマは、
寛骨臼形成不全についてです。
寛骨臼形成不全は以前は「臼蓋形成不全」という病名で呼ばれていましたが、現在の正式名称は「寛骨臼形成不全」という名称に変わっておりますのでしっかりと覚えておいてください。
この事を知らない整形外科医もまだいるかもしれませんが…汗。
おはようございます!
本日は、寛骨臼形成不全についてのトークです。
股関節の痛みの原因の一つである寛骨臼形成不全について、その症状や治療法についてお話したいと思います。
寛骨臼形成不全とは、股関節の骨盤側のくぼみである寛骨臼が浅くて小さいために、大腿骨の球状の部分である大腿骨頭を十分に覆えない状態のことです。
この状態では、体重を支える面積が小さいために股関節にかかる負担が集中してしまい、軟骨がすり減りやすく、股関節が不安定になります。
その結果、股関節に痛みやだるさ、歩行障害などの症状が出てきます。
寛骨臼形成不全は、遺伝的な要因や、子宮内での胎位異常、乳児期の生活習慣などが原因として考えられています。
女性に多く見られる病気で、妊娠や出産がきっかけで症状が悪化することもあります。
寛骨臼形成不全の診断は、主にX線検査で行われます。
X線画像で、寛骨臼と大腿骨頭のかみ合い具合を測る指標として、CE角やSharp角などが用いられます。
これらの角度が正常値から外れている場合は、寛骨臼形成不全の可能性が高いと判断されます。また、MRIやCTなどの検査で、軟骨の損傷や関節の変形の程度を評価することもあります。
寛骨臼形成不全の治療法は、症状の進行度や患者さんの年齢や希望によって異なります。
初期の段階では、保存療法として、痛みを悪化させないように日常生活に注意したり、鎮痛薬を服用したり、杖を使用したり、水中歩行などの運動療法を行うことで、症状のコントロールや股関節の変形の進行の予防に努めます。
これらの方法で症状が改善しない場合や、関節の変形が進行している場合は、手術療法を検討します。
手術療法には、大きく分けて、自分の骨を生かして寛骨臼を形成する骨切り術と、人工の関節に置き換える人工関節置換術の二種類があります。
骨切り術は、寛骨臼の周りの骨を切って、大腿骨頭を覆うように回転させて固定する手術で、軟骨が残っている場合に適応となります。
寛骨臼回転骨切り術には、RAO、CPO、SPOなどの方法があります。
それぞれ切開する位置や寛骨臼の骨の切り方が変わります。
骨切り術のメリットは、自分の骨を使って股関節を安定させることができることです。
デメリットは、術後のリハビリが長期間必要になることです。
人工関節置換術は、寛骨臼と大腿骨頭の両方を人工の関節に交換する手術で、軟骨が完全に減っている場合に適応となります。
人工関節置換術のメリットは、手術後すぐに痛みがなくなり、歩行が改善されることです。
デメリットは、人工の関節はインプラントであるため、過度な負荷がかかる運動を避けなければならないことや、再置換の手術の可能性があることです。
寛骨臼形成不全は、早期に発見して適切な治療を行うことで、股関節の機能を維持することができます。
股関節に痛みやだるさを感じる方は、整形外科医(可能であれば股関節の専門医)に相談してください。
股関節の健康を守るために頑張りましょう。
以上、寛骨臼形成不全についての治療についてのお話でした。
次回のブログでは、オムライスのふわふわ具合の作り方についてお話したいと思います(嘘)。
寛骨臼形成不全は変形性股関節症に進行するリスクがあるので要注意!
「チャーハンはパラパラ具合が大事!」
いつか「特技はチャーハンです!」と言いたい整形外科医の塗山正宏でした。
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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