股関節225 人工股関節と金属探知機

金属探知機 股関節

おはようございます!
今日もアンパンマンみたいな優しい気持ちをもって生きていく塗山正宏です。
あんぱ~んち!




今日のテーマは、

人工股関節と金属探知機についてです。




こんにちは、現場の整形外科医の塗山正宏です。

今まで人工股関節と金属探知機について記事を書いた事があると思っていたのですが、実は書いた事がないことに気が付いたので、さくっと書いていきます!



人工股関節とは、変形性股関節症による痛みや動きづらくなった股関節を、金属・セラミック・ポリエチレンなどの材料で作られた人工関節に置き換える手術です。

人工股関節は、患者さんの生活の質を向上させる効果的な治療方法ですが、一方で金属製の部品が体内に入ることで、金属探知機に反応する可能性があります。

金属探知機とは、空港や公共施設などで、危険物の持ち込みを防ぐために設置されている機器です。

現在はディズニーランドに入園する時にも金属探知機によるチェックがありますよね。

金属探知機には、門型のものやハンディタイプのものがあります。

金属探知機は、金属に電流を流して磁場を発生させ、その磁場によって金属を検出します。

人工股関節は、主にチタン合金などの金属で作られているため、金属探知機によってアラームが鳴ることがあります。





では、人工股関節を入れた後に、金属探知機を通過する場合はどうすればいいのでしょうか。

塗山先生
塗山先生

どうしたらいいのか、塗山正宏が答えていきましょう!




まず、日本国内であれば、口頭で人工股関節を入れていることを保安検査係員に伝えるだけで基本的には大丈夫です。

もし金属探知機で鳴ってしまった場合には、ハンディタイプの金属探知機で個別に検査されます。

係員が洋服の上から人工股関節の部位を触り、体と洋服の間に何もないことを確認します。

これで保安検査をクリアすることができます。

実際に金属探知機が反応するかどうかは、空港によったり個人差(インプラントサイズや体型など)もありますので、鳴るかどうかは金属探知機を通ってみないとわかりませんね。



次に、海外旅行に行く場合はどうすればいいのでしょうか。

海外では言葉が通じない場合があるため、口頭で伝えるだけでは不十分かもしれません。

そこでおすすめなのが、

①人工股関節ステッカー

②自分自身のレントゲン画像

③診断書

などがあります。




①人工股関節ステッカー

日本股関節研究振興財団が発行している人工関節ステッカーはこんな感じです。

こちらから応募ができるようです。

日本語、英語、スペイン語、中国語で記載されています。


②自分自身のレントゲン画像

自分自身のレントゲン画像を携帯に撮影して持っておくと、参考資料として使えるでしょう。

外来受診時に主治医に自分自身のレントゲン写真を撮らせてもらってみてはいかがでしょうか?




③診断書

手術した病院で診断書を書いてもらうという選択肢もありますね。

しかし、通常英文診断書は一般的な診断書よりも作成費用が高額になる事があるので、高いお金払ってわざわざ書いてもらう事もないかなと個人的には思っています笑。

はっきり言ってしまうと診断書って、海外の空港でそれが正式な書類かどうかなんて判断できないですからね。

あとは、自分の携帯のメモ帳に、

「I have an artificial joint implanted. These implants may activate a metal detection device.(私は人工関節を使用しています。このインプラントは金属探知機に反応します)」

を入力しておいて、それを保安検査官に見せるのもありかもしれませんね。




人工股関節は金属探知機に反応する可能性があることを覚えておきましょう。

もし不安なことがあれば、担当医に相談してください。

ま、あまり深く考えずに大丈夫ですよ(笑顔)。



人工股関節は金属探知機に反応することがある!

「だから金属隠してないですって~~!」

金属は歯以外にはまだ体内に入っていない整形外科医の塗山正宏でした。


【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医

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